巣ごもり生活が続くと、家庭での食生活が増えるため、食による養生、いわゆる食べ物によって健康を創るという考え方が大切になってきます。また新型コロナウイルスの影響で医療が逼迫したことで、健康は自分で創る、病気への抵抗力をつけるために食生活を見直すという風潮も広まっています。
食養生といえば、マクロビオティックですが、しかしマクロビオティックと呼ばれ出したのは、海外でのブームが逆輸入された最近のことで、もともとは国内では、正しい食、「正食」や「食養」と語られていました。最近のマクロビオティックは、言葉がひとり歩きし、単なる食事法と誤解して解釈する方が多いのですが、創始者の桜沢如一は、自著で、シンプルに食養を定義しています。
食とは人を作る最も廣義の自然環境である。
養とは人がこの自然環境を攝取受用する正しき知行である。
即ち食とは自然の正義、養とは人間の正義、故に食養とは要する處人生の生を正しく遂ぐる事である。
(櫻澤如一著『食養学原論』より)
これを読むとマクロビオティックとは、単なる食べ方や健康法を指すだけでなく、感染症時代に自分がどの方向を見て生きるのか、なにを目指すのかという、自らの世界観を伴う生き方であることが分かります。食養を志すすべての人に読んでもらいたい文言です。
夜空に輝く星は、昼間見えなくても、青空の向こうに存在しています。確かないまをいかに真剣に生きるかが大事です。人は必ず死にます。生と死はいわば陰と陽、ふたつが合わさってひとつの人生。不確かな未来に安易に身をゆだねるのではなく、このような時代だからこそ、あらためて、いまを生きる生の意味を考えてみてはいかがでしょう。
この時代にふさわしい植物の力、
抗酸化とポリフェノール
私たちの体は酸素を利用してエネルギーを作りだしていますが、そのとき同時に、活性酸素も生みだしています。活性酸素は細菌やウイルスなど異物を消去し体を守ってくれる反面、過剰に存在すると細胞を傷つけ、老化を早めることも分かってきました。体内の抗酸化物質が、活性酸素のバランスを取るのですが、年齢を重ねると寄せる波には勝てません。40代からは、抗酸化物質の働きが急激に低下すると考えられています。
また、ストレス、食品添加物、タバコ、激しい運動、多量飲酒、紫外線なども活性酸素を増やす原因とされています。しかし、抗酸化物質は食品などから摂取できるのです。抗酸化物質を含んだ物をコンスタントに摂取することは、若々しさを保つ秘訣ともいえます。植物の持つポリフェノールが抗酸化の役割を果たすことも、最近科学的に解明された食のチカラのひとつです。
意識して毎日摂取できない場合は、適度に補う手もあります。「中川信男のこの時代サプリメント」は、ポリフェノールに加えて、ビタミンD3も配合。日光を浴びれば、ビタミンDが生成されますが、巣ごもりが続くと、どうしても日光に当たる機会が減ってしまいます。また日ごろから日焼けによるダメージを考慮して、陽の光を避けている方や、在宅勤務、在宅授業で外出をしない方、病院、高齢者施設での生活など、日常的に太陽光を浴びずに生活を続けている方は、食品やサプリメントでしっかりポリフェノールやビタミンDを摂ることが賢明でしょう。栄養学的なバランスよくを心がけ、肉、魚、牛乳、卵、小麦を常食されている方は、とくに常備をおすすめします。