シリーズ1
-文学に、アートに、少女に、そして竹に魅せられて-
竹繊維を世界に広めるという使命に邁進するナファ生活研究所相田社長。
相田社長と竹布の魅力を全6回連載で伝えます!
【第1回】文学作家を目指す
自由へのこだわりは、長崎の大自然に育った幼少期に培われたのかもしれない。「海が自分を呼ぶ声」に誘われ、夏場はほとんど学校に出なくても先生も連絡してこない、実におおらかな時代に育った。
当時から絵を描くことも好きだったが、大学では文学を専攻。その傍らで、芸術記者のバイトをした。物作りの秘密を聞く過程を通じて、その人物の生い立ちから創造された製品に関与する必然性を探るのが好きだった。
それでもやはり将来は文学作家にという思いが強く、「生と死」をテーマにロシアと日本の文学を深く学んだ。「生と死」は永遠のテーマだが、『死を通して今の自分を見る』という視点は既に得られたと思う。そこに至るまでは様々な苦しい経験があり、また大自然に自分を置いて、生きる意味を追求してきた。
そんな学生時代、自分の価値観を大きく変える出来事が起こった。物事の善し悪しの判断の間違いがアクのように溜まり、自分自身が崩壊してしまった瞬間。
強烈な衝撃が私を襲い、頭の中は一瞬にして空っぽになった。意識的に左脳で作り上げた、「-でなければいけない」世界が崩壊した瞬間だった。
たかが21歳で何でも知っているのように振る舞っていた自分は、その瞬間、石ころや葉っぱと何ら変わらないということを自覚せざるを得なかった・・・
21歳の冬、何が起こったのか?次回をお楽しみに!