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くま先生のすこやか診察室

「子どもも親も、家族みんなの笑顔と幸せのために」総合医療くま先生からのメッセージ

統合医療やまのうち小児科・
内科医師

山内 昌樹 (やまのうち まさき)

小児科医として勤務していたが、西洋医学の素晴らしさを感じつつ心から望む医療と現実のギャップに悩み、軽度のパニック障害を経験。YHC矢山クリニックで小児科 を担当し、病気の真の原因を学ぶ。お母さんの自己肯定感を取り戻すことが家族みんなを笑顔にし世界を平和にすると確信している。
〒849-0915 佐賀県佐賀市兵庫北5丁目8-7-2
0952-33-8500
http://www.yamanouchishounika.jp/

教育について

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日本全国で、小学校と中学校を合わせて約20万人の子どもたちが、学校に行けないような「不登校」の状態にあるようです。そもそもこの状態はおかしいのではないでしょうか? 学校制度は、戦後から約80年たったいままでに、多少の見直しはあったようですが、基本的にはあまり変わっていないようです。同じ年齢の子どもたちを同じ場所に集めて、同じ内容を教えるというスタイルが続けられてきています。こんなに学校に行けない子どもたちがいるということは、そもそも学校のシステム自体になにか無理があるのではないでしょうか?

子どもはみんな違っています。性格も違えば、得意なことも苦手なことも違う。いまの学校の教育システムで、一人ひとりがそれぞれに合った学びをちゃんと受けられているのでしょうか? 得意なことがある子は、少しのきっかけで自分から学んでいくことができるかもしれません。でも、苦手なことに苦しんでいる子にとっては、授業を受けること自体が苦痛になっているかもしれません。先生たちは同じ内容を子どもたちに教えているけれど、子どもたちの視点から見ると、それぞれの学びが違います。同じ目標を持つとしても、苦手な子にはサポートが必要でしょうし、その子たちはほかの子より勉強しなくてはいけないかもしれません。でも、それは本当に公平なのでしょうか? 苦手なことをがんばることで、その子たちは本当に勉強が好きになるのでしょうか?

宿題はなんのためにあるのでしょうか? 家庭学習の習慣化するためといわれますが、それが子どもたちにどんな影響を与えているのか考えたことはありますか? 勉強が得意な子は、宿題をしなくても理解できているかもしれません。逆に勉強が苦手な子は、宿題で理解を深めることができるかもしれませんが、わからないところは、適当に解答欄を埋めたりとばしたりするかもしれません。無理やり宿題をさせることで勉強が嫌いになってしまうこともあるでしょう。

大人たちが「働き方改革」を叫んでいるのと同じように、子どもたちにも自由な時間や遊びが必要なのではないでしょうか? 宿題をやめて、家族と楽しい時間を過ごすことも大切ですし、好きなことに夢中で取り組むことも大切です。勉強が好きな子は、自分で学ぶことを選んで思う存分取り組めばいいでしょう。それが固定された宿題ではなくて、自分が興味を持っていることなら、ますます楽しく学べるかもしれません。

私の子どもも小学校の低学年のころ、宿題が終わらないと、泣きながら問題を解いたり、漢字を上手に書けるようになるまで、何度も同じ字を書いては消すを繰り返していました。その姿を見て、なんだか違うんじゃないかと感じたこともありました。「そこまでしなくてもいいよ」と伝えても、子ども自身が思い通りになるまでやめようとしませんでした。学校や先生の影響は本当に大きいです。教育制度や目標も見直す必要があるのかもしれません。

いまはスマホやA‌Iが普及して、情報がたくさん手に入る時代。計算や漢字だけではなく、もっと大事なことはあるのではないでしょうか? もちろん読み書き計算など基本的な学力は身につけたいけれど、同じペースで同じことをやらなくても良いのではないでしょうか?

教育にはもっと自由が必要だと思います。目指す方向性も、学習の進度も、学ぶ方法も、子どもたちが選べるようになれば、もっと楽しく、イキイキと学べるはずです。ちなみに、私の子どもは、書く文字は枠に収まらず大暴れしていますし、家で勉強する姿を見ることがありません。ゆるく楽しい先生方の指導のおかげで自由人になっています。親の言うことも聞きません。それで良いし、先生方にはとても感謝しています。

- くま先生のすこやか診察室 - 2023年10月発刊 vol.193

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