「美味しく・楽しく・学べる」体験型観光でバナナ畑をご案内していて、初めて見る・知る内容に「へぇ~ほぉ~」と驚き、感心・納得していただくことが多いお話をご紹介します。
いつでも、どこでも、手軽で安価に手に入り、子供でも皮をむけばすぐ食べられて、栄養価が高く、甘くて美味しく、1本で十分な満足感が得られる魅力たっぷりのバナナ。歴史を紐解いてみると、意外と知らなかった話題が見つかります。
またもやアレキサンダー大王
バナナの栽培の歴史はサトウキビより古く、紀元前5000年頃にパプアニューギニアやインドで栽培されていたそうです。原産地がサトウキビと近いのは熱帯作物の共通点ですが、ほかにサトウキビとの共通点で驚いたのが、紀元前300年頃に活躍したマケドニア国王・アレキサンダー大王に関する記録です。インドに遠征して「かじると甘い葦(すなわちサトウキビの茎)」を見つけて歓喜したアレキサンダー大王は(本誌9月号で紹介)、インドでバナナも発見し、西洋に持ち帰っていたのです。
禁断の果実はバナナだった?
また、エデンの園の「禁断の果実」は、コーランにおいてはリンゴではなくバナナだとされています。ただ、当時のバナナは今とは随分と異なり、大きさは人差し指程度で、果肉は少なく堅い種が詰まっていて、食用には適していなかったようです。その後、突然変異で出現した種なしバナナを株分けして生産拡大するとともに、交配による品種改良が繰り返された結果として、現在の果肉が多くて柔らかい、種のないバナナが定着したそうです。