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中川信男の多事争論

「多事争論」とは……福沢諭吉の言葉。 多数に飲み込まれない少数意見の存在が、 自由に生きるための唯一の道であることを示す

プレマ株式会社 代表取締役
ジェラティエーレ

中川信男 (なかがわ のぶお)

京都市生まれ。
文書で確認できる限り400年以上続く家系の長男。
20代は山や武道、インドや東南アジア諸国で修行。
3人の介護、5人の子育てを通じ東西の自然療法に親しむも、最新科学と医学の進化も否定せず、太古の叡智と近現代の知見、技術革新のバランスの取れた融合を目指す。1999年プレマ事務所設立、現プレマ株式会社代表取締役。保守的に見えて新しいもの好きな「ずぶずぶの京都人」。

流行の原理主義〟に惑わされず
第三の立ち位置を切り開く

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ワクチン接種の是非については、あらゆる情報が交錯している状況です。私たちの仕事の本質でいえば、病院や医療の世話になるまえに、自分のことは自分でお世話をする、つまり日常の食や生活習慣を見直し改め、ときに地球の健全さにまで思いを馳せて備えることを前提に生きておられるお客様への製品供給の仕事をしています。ですから、ワクチンが救世主というような世間一般の方向性にはなりません。しかし、私のメールマガジンなどを読んでいただいているお客様にはたびたびお伝えしてきたように、現在のようなワクチン推進派VS.反ワクチン派、という二極対立によってもたらされるものは相互批判と、その結果としての社会の分断だけであり、原理原則だけを振りかざして善だ、悪だと叫んでみたところで個人の悩みは解決せず、お互いの不信感が醸成されるだけです。私は当然に陰謀論には立ちませんが、もしこの騒ぎに乗じて社会の分断を望んでいるものがいるとすれば、私たちが相互不信に陥れば陥るほど、彼らの望みを満足させていることにほかなりません。そうならない意味でも、私たちはお互いの立場と状況を理解し合い、お互いに手を取り合って助け合う必要があるはずなのです。
 
社内的にも、過去に本稿で論じてきたようにマスクの着用から、その種類の選別、タイミングまで、すべて個人の判断に委ね、その判断は正しいものとして正誤をジャッジしないことを表明してきました。同様に、ワクチンの接種についても、打つ、打たないの、どちらの判断についても正誤を論じることはせず、個人の良心に委ね、その決断は正しいものとして、どちらの実行をした人にも必要な助力をおこなうことを明確にしています。 
 
おそらく、読者の皆さんの多くは「まだ未知数のワクチンを接種したくはないけれど、ワクチンパスポートの導入や行動制限の法制化が見越されている状況で、どうしようか頭を抱えている」という方が最も多いと感じていますので、最終的にどちらの決断をされたとしても、必要なお手伝いを私たちの仕事を通じてご提案できるように準備を整えています。もし、そのような情報が必要でしたら、弊社までメールでお問い合わせください。

完璧主義がもたらすもの

このような話をここで持ち出すのには、私たちの事業そのものの20年以上の歴史と経験のなかで培われてきた「対立を生み出す要素を、可能なかぎり排除したい」という思いがあります。古くは、洗濯やスキンケアは石けんなのか、合成洗剤なのかという対立軸です。
 
石けんは環境にやさしく、合成界面活性剤は毒であるという自然食屋的な一般論がありますが、石けんにも合成洗剤にも、多種多様な種類があります。AかBか、どちらが正しいのかという判断であれば、お互いの主張をぶつけ合うだけで、決して交わることはありません。実際には、世界レベルでその中間的な製品が続々と発売されており、個人の望んでいる結果にあわせて、第三の選択、つまりオルタナティブ・チョイスRと私たちが呼んでいる選択肢が広がっています。
 
同様に、天然塩は薬で、それ以外は毒である、玄米は身体によく、精白したら毒にしかならない、など、また、このまったく逆説を論じる方もいます。健康を巡る諸説には、必ず逆説がつきものであり、どちらにしても極論に走ることは閉塞感しか生み出しません。たとえるならば、玄米は理想的な穀物の栄養素をバランスよく含んでいますが、現代人ではそれを消化するほどの消化力が足りない方も多く、玄米を食べたら、かえって調子を崩すという方も少なくありません。また、農薬や化学肥料をたっぷり用いて栽培された(慣行栽培)米を玄米で食べれば、それらの害はより濃縮された形で体内に入ってくることも懸念されます。中間的なオプションとしては、安全なぬかを用いた製品をしっかり食べることや、雑穀や古代米を白米に混ぜて炊飯する方法もあり、バリエーションは数かぎりなく生み出すことができます。 
 
私たちの直営飲食店では、ヴィーガンの方も食べることができる選択肢を非常に多く準備していますが、動物性の食材も用いて選択することができるようにしています。完全菜食の方からは激しい非難に晒されるわけですが、私は菜食の方も、そうでない方も同じ食卓を囲むことができることに、私たちならではの存在感があるという意思のもと、対立よりも寛容であり平和であること(プレマシャンティRと呼んでいます)を重視しています。同様に、たとえば100%オーガニックを目指すという高い理想を優先させることで価格が異常に高くなったり、味が劣化することを容認したり、もしくは自分だけが知っている嘘に目をつぶることにするよりは、そのバランスを保ちつつ、可能なかぎり安全かつフェアで有意義なものに日々アップデートすることを目指すことに価値を感じています。創業の当初から、プレマと付き合う人の五箇条という文章を通販サイトのトップページに掲げてきましたが、そのうちの一つが、
 
完璧を目指すより、よりよくを目指そう。完璧主義は、自分も人も追いつめる。
 
というもので、この考えをすべてに浸透させ、持続可能であることを優先しているのが、私たちの会社のスタイルなのです。

自分の名前をつけるくらい、いま必要な栄養素

現代を生き抜くための必須栄養素である、ビタミンD3と、赤ワイン由来ポリフェノールであるレスベラトロールを小さなカプセルで、簡単に摂れるように独自処方で設計しました。打つ、打たないのどちらの人にとっても、いまだからこそ必要な準備をできるように、中庸のこころでご提案する、恥ずかしいけれど有意義な名前の新作品です。

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流行の原理主義〟に惑わされず第三の立ち位置を切り開く

- 中川信男の多事争論 - 2021年10月発刊 vol.169

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