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鍼療室からの伝言

鍼灸師の西下先生による陰陽や自然食。二十四節気など古来の智恵のお話

圭鍼灸院 院長 鍼灸師
マクロビオティック・カウンセラー

西下 圭一 (にしした けいいち)

新生児から高齢者まで、整形外科から内科まで。年齢や症状を問わないオールラウンドな治療スタイルは「駆け込み寺」と称され医療関係者やセラピストも多数来院。自身も生涯現役を目指すアスリートで動作解析・運動指導に定評がありプロ選手やトップアスリートに支持されている。

双方あって、成り立つ

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「自分に優しくできると、強くなれるんですね」。

病を乗り越えられた人と、先日こんな話をしました。乗り越える強さの裏側に、自分自身を労わる優しさがあるのだと感じます。日常にくつろげる時間を見つけ、日々のがんばりを認める。その時間があることで、誘惑に惑わされなくなるようです。癒されるものを見つければ、立ち向かっていく強さも生まれてくるのでしょう。

強くなりたいと願っても、なかなかそうはなれなくて苦しむこともある。一方で、優しくできるようになることで強さが備わってくるように思います。強いから優しくなれるのではなくて、優しいから強くなれる。そんなところでしょうか。

裏側を見る

見えるところを突き進んで上手くいかないとき、その裏側や反対側にあるものを考えてみても良いかもしれません。表面から見えないところに、どんなに小さくてもいいから、自分を認めることがある。そんなことを見つけてみると良さそうです。

嫌いなものを好きになろうとして苦しむことがあるでしょう。嫌いなものを好きになるのは無理だと知って、あきらめることも肝心です。いまは嫌いなものがない人でも、好きなものができることで嫌いなものが出てくることもあります。好きなものができると、その対極にあるものを嫌いだと認識するきっかけになる。好きだと思うその対象を脅かすものが見つかれば、それを排除しようとし、嫌いだと認識することにもなるでしょう。好きができれば、嫌いも生まれるのです。

怒りの感情を抑えようと苦労することもあるでしょう。だけど怒りというのは、期待通りにならなかったことへの悩みからくる悲しさや寂しさ。怒りの感情だけにフォーカスして、それを無理に抑えつけようとしても苦しいだけです。怒りの裏側にある悲しみや寂しさを知ることで、怒ることを減らせそうです。そのうえで、求めるものが大きすぎたとか、それに応えようとがんばりすぎたのかもしれないといった反省が生まれてくるのではないでしょうか。

昨今、なにかといえばハラスメントと指摘され、周りからたたかれてしまうことを恐れています。だからといって、ただ怒りを鎮めるだけなら、なにに対しても、だれに対しても、期待しなくなりそうです。それで生きていくのはとても寂しい気がします。表面だけではなく、裏側まで心を配ってみたいものです。
なにが良いとか悪いではなく、内と外のバランスで成り立っている。すべては陰と陽です。一方だけが大きくなることはありません。一方が大きくなれば、その対極もまた大きくなる。一方を小さく窄ませれば、もう片方も萎んで小さくまとまってしまうのです。

気づけば変わる

禅の言葉に、「花開香世界」とあります。花が開けば世界が香る。花が開くことで周囲の世界に香りが広がるということです。香りとは漂うものであり、目には見えないけれどもわかるもののことを意味します。

この「花」を、自分の意識、心の目と置き換えてみるとよくわかります。心の目が開くことで、気づくことがある。自分自身の気づきが見つかれば、これまで見ていた世界が一変し、香り立つように輝くことになります。悟りを開けば世界が香り立つということなのです。

ものの見方を変えることで、気づくことがある。察してあげられることが見つかる。心の目が開き、自身の内面に気づくことができて、他人のことも察することができるようになり、人間関係が好転し、より素晴らしい関係を築いていけるでしょう。

小さな気づきでもいいので、心の目の開花を意識してみましょう。日々、心穏やかに過ごせますように。

- 鍼療室からの伝言 - 2024年6月発刊 vol.201

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