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インタビュー取材しました。

縁と想いを 未来へつなぐ
プレマ株式会社 プレマシャンティ®開発チーム 横山・ルセール 奈保 インタビュー

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桜ラベルに彩られた弊社のオリジナルブランド「プレマシャンティ®」。日本伝統の原料と製法で、作り手が想いを込めて送り出している「作品」たちがラインナップされています。そのプレマシャンティ®の誕生から現在まで一緒に歩んできたのが、開発チームの横山・ルセール 奈保です。彼女は全国各地で伝統をつないでいる作り手一人ひとりを訪ね、それぞれの想いを受け止めながら、新たな作品を生み出しています。プレマシャンティ®がどのようにして生まれ、どこへ向かうのか。そこに反映される生き方や考え方、込められた想いを聞きました。

プレマシャンティ® 開発チーム
横山・ルセール 奈保
(よこやま・ルセール なほ)

日本生まれ、海外育ち。肉体の極限を追い求める競技者として育ち、 肉体と食、食と精神、精神と肉体の関係を知る。ヨガセラピスト、マクロビオティック&中国伝統医学プラクティショナ―。Albert Einstein、白洲次郎を敬愛。理解あるフランス人パートナーのおかげで、日本に単身赴任中。個人ミッション:神様のミッションを全うすること。

人生のミッションと生き方の選択

――横山さんが書いた「プレマ株式会社ってなにしてる会社?」のメルマガがとてもおもしろかったのですが、「横山さんってなにしてる人?」と訊かれたらどう答えますか?

横山 なんでも屋です(笑)。だけど私にはミッションがあると思っています。人って生まれてきたからには神様から与えられたお役目がある。私はクリスチャンなので宗教観もあるだろうけど、ずっとそう感じてきました。失敗もあるし、あまり幸せでないときもあるけど、全部与えられたお役目を全うするための試練。人の寿命も、お役目を終えて次のお役目をもらうために帰っていくんだと考えています。だから私も、与えられたお役目を全うするために、自分のミッションに合っているか、気持ちよく仕事ができるか、ということを常に意識しながら動いています。

――プレマで働くことになったきっかけはなんですか?

横山 私は日本で生まれて国外で育ち、97年に日本に戻ってきました。そのころにはマクロビオティックを実践していたので、日本で食べ物を買うところがなくて困っていたら、マクロビオティックの先輩がプレマを教えてくれて、自分も買い物をするようになりました。そしてあるとき、英語ができるスタッフの募集を見つけて応募したんです。明確な目的はなく、ただプレマという会社とひとに会ってみたいと思ったのかな。

――マクロビオティックを始めたのはいつですか?

横山 世界にマクロビオティックを広めた久司道夫先生のお膝元、ボストンにいたことがあって、そのころです。私、子どものころにアナフィラキシーに似た症状を起こしたことがあるんです。原因はチキンだったと思うのですが、食べた後に急激な腹痛と湿疹に襲われて。それからお肉は一切食べなくなりました。自律神経の乱れやアトピーもありました。でもアレルゲンの抗体検査をしても原因がわからず、病院ではステロイドを出されるだけ。そういう状態をなんとかしたくて真剣にマクロビオティックを始めました。

――マクロビオティックを始めて食にこだわるようになったんですね。

横山 いえ、こだわってはないです。「こだわる」という言葉の語源は「拘泥する」。そこにとらわれて考え方が動かなくなるということ。私は、選択はしているけど固執はしていません。食べるものがあることに感謝しているので、オーガニックの食材がないときはオーガニックじゃなくても平気。よっぽど体調が悪くてどうしようもないときは、逆に「食べない」という選択をします。マクロビオティックを私の生き方として選択はしたけど、生き方の物差しであって、拘泥していません。好きだからやってる。好きなものを選んでるんです。

プレマシャンティに新たに加わったボディケア。内側だけでなく外側からもケア

――横山さんはアスリートであり、料理人でもあるんですよね。それとマクロビオティックは関係していますか?

横山 昔から私は運動が好きで、極限まで体を動かして、極限まで脳みそを使って、どうしたら自分の体をコントロールできるかを考えてきました。筋肉が悲鳴をあげているときに保存料が入っているものを食べると、体がゴンっと重くなるのがわかるし、本当に純粋に食べたいと思うものを食べることで翌日の回復が全然違う。それで、食べたいものをおいしく食べるために料理をするようになりました。実は全部つながってはいるけど、順番でいうとマクロビオティックよりそちらがずっと先ですね。

――横山さんにとって、マクロビオティックはどういう存在ですか?

横山 食だけではなく、生き方の哲学、生き方のひとつの提案です。そのすべてに通じる基礎が陰陽五行の考え方。陰陽どちらかに偏ると体にひずみが出ます。そして陰陽は自分一人ではけっしてなくて、環境ありき。宇宙と、周囲の人と、自分とのバランスをとること、それがマクロビオティックだと思っています。
いわゆるナチュラルな考えでは、病院に行かない方も多いですよね。何年か前、私のマクロビオティックの先生が、ガンで余命宣告をされたことがありました。その先生は放射線治療を受けないつもりでしたが、ご主人が泣いているのを見て、放射線治療を受けて生きよう、生きる努力をしようと決意しました。でも放射線治療は体に負担がかかる。彼女はマクロビオティックを教える一方、ナチュロパス※でレメディの知識も豊富です。だから自分がもつすべてを投入して、治療に耐えられる体を作ろうとしたんです。そういうことが一度きりではなく何度もあって、彼女はそのたびにマクロビオティックで対応してきました。植物人間状態にもなったのですが、劇的なことに、9・11の時に目が覚めたの。みんなが泣いてる声が聞こえたって。その彼女が、今年なんと飛行機で日本に来たんです。私にとってのマクロビオティックは彼女の在り方そのもの。否定せず、マクロビオティック的なアプローチでできることを考える。私の先生は誰かと訊かれたら、鈴木さなえさん、一人はこの方です。それと中島デコさん。お二人に出会わなかったら、たぶん私はプレマに来ようと思わなかったですね。

――横山さんは、知識がものすごく豊富ですよね。

横山 たとえるなら、私はバームクーヘン。深くはないけど層がある。プレマシャンティ®を始めるとき、中川社長が私にまるごと任せて、必要なことをタイミングよく提供してくれました。特に間に入ってくださる人をたくさん紹介してもらった。初対面って警戒されがちなので、誰につないでもらうかは重要です。そしてその方に対して恥ずかしくないようにと思うので必死になる。どんな仕事もご縁、なにをするのも学びだと思っています。結局世の中、自分に必要なものしか落ちてこないし、目の前になにかが落ちているならそれは必要なことで、苦手でもひとつずつ柔軟に対応していく。するといつの間にか薄くても知識が積み重なっていくんですよ。でも、たとえばお醤油を何十年毎日作って、毎日見てる人には絶対にかなわないから、「知らないので教えてください」と聞く潔さをもっていたい。ジェネラリストとしてのプロフェッショナルを追求するやり方もあると思うんです。人間は考えるから人間です。考えるということは、結局すべて想像力で、想像力は経験からくるのだと思います。人の話を聞くこと、本を読むこと、テレビを見ること、日々歩く道から感じること、すべて経験。それをただ流すのか、考え直すかで経験の質が変わり、その積み重ねが次のステップにつながる。だから、せっかくもらった脳みそを使わないのはあり得ないですね。

――商品会議のとき、横山さんが「これを作っている人が大好きで、この人と仕事をしたいんだ」と強く話していたのがとても印象的でした。

横山 結局仕事は人対人。プレマは、作り手が続けられなくなっても、その方が生み出したものを残すために全力でサポートする。ここが大手企業との大きな違いで、すごく共感できるところ。私の人生のミッションとプレマのミッションはベクトルの方向が一緒で、ここで目の前のことに真剣に取り組み、全力で考えることがミッションを達成する道筋のひとつだと思うんです。なぜか私は出張と台風が重なることが多いのですが、奇跡的に台風が逸れたり、封鎖された道のギリギリ手前で動けたり、そういう不思議なことがほんとうによくあって、なんだか導かれている気がしています。やっぱりこれは私のお役目なんだと。それに実際、仕事のときが一番楽しいですしね。

作り手の想いとエネルギーが込められた品々。そのおいしさを体験してほしいと試食会などの場を設けている

――横山さんは、「プレマシャンティ®開発チーム」というときと、「開拓チーム」というときがありますが。

横山 正式名称は「開発チーム」なんですが、基本的に私は「開拓」ですね。なぜならうちで作るというよりは作り手さんを探してきているから、プレマシャンティ®は開拓団のような気がしてるんです。新天地を探そうと未開の地へと足を踏み出したひとたちみたいに、幌馬車で手綱を引いて、仲間を集めながら進んでいるイメージです。
ものづくりでは作り手の想いやエネルギーが入ります。仕込み蔵に入って、「気持ちいいな」と思うところのものは絶対においしいんですよ。私がいつまでいるかはわからないし、プレマシャンティ®が姿を変えることがあるかもしれない。でも、ご縁をいただいた作り手さんには残ってほしいといつも思っています。今いる私は誰かと誰かをつなぐ中継点でしかない。私がここで学んだことを徹底的に次の人に伝え、今度はその人が誰かに伝える。するとまた別の形となって返ってくる。そうやってつないでいけば、柔軟性が高く、千年続く会社になる。その可能性がプレマにはあります。今の私には無理がなくて、私のままで仕事ができています。昔は表裏があって、ああしたい、こうあるべき、とガチガチでした。でもその積み重ねがあるから今の私があるし、どういう形でも、今やっていることは必ず生きていく。未来につながるために今がある。今やらないと未来はないんです。

――プレマシャンティ®でボディケアやインナーケアの扱いも始まりましたよね。

横山 プレマシャンティ®は全部一本でつながっています。それは、「私が快適か、快適じゃないか」。私は敏感肌で、いわゆるナチュラル化粧品も合わないものが多いし、アルコールもダメ。そんな私が一年くらい使って、これならOKと思うものを選んだのがプレマシャンティ®のボディケアラインです。インナーケアは、私たち人間がやってきたことの結果として、土地が痩せ、野菜に含まれる栄養成分も減っていて、それをどうすればいいかと考えたとき、今ある食物に伝統的なものやそれを加工したものを加えて、サプリメントや、お薬のかわりになるようなものがあるといいよねと考えました。

プレマシャンティ®は少しずつ変化しているんじゃないかな。考え方、土台と背骨がしっかりして、肉づけしやすくなった。一方、これはプレマシャンティ®じゃなくてもいいなというものも出てきたので、再構築が必要だと考えています。

今後開催していきたい総合的なワークショップ。そのひとつ、スキンケアとメイクアップのワークショップの様子

――ほかに今後こうしたいなと思っていることを教えてください。

横山 試食会や、「体をつくる」「装う」「食べる」「暮らす」という総合的なワークショップもやっていきたいです。先日、プレマルシェ・ジェラテリア中目黒駅前店店長でメイクアップアーティストの小林さんとのコラボで、スキンケアとメイクアップのワークショップをしました。今後、同店スタッフでパーソナルトレーナーの赤坂さんともコラボをしたいです。必要なものを入れてあげないと体はできないということは彼女も重々承知しているので、プレマシャンティ®で「1週間体験セット」みたいな形でアプローチできたらいいなと。

また、島根の吉田ふるさと村さんともなにかしたい。彼らは地元に人が少なくなるなか、自分たちで仕事を作ろうと会社を立ち上げ、バスやタクシーを走らせ、皆が暮らしやすい環境を考え続けています。これは、これからの日本の在り方のひとつじゃないかなと。世界中で災害が増えるなか、物流に頼らず食料を調達する方法、自分たちで自分たちの暮らしを守るためのやり方を、小さなスケールで考える必要があります。そのために土地にしっかり根を張り、そこでしかできないことをやって、横をつなぐ。そのつなぐ役割を私ができればいいなと思っています。一日の終わりに「私は今日はなにをしたんだろう」ではなくて、「私は今日はこれをした、明日はこれをする」と思える。そういう生き方をすれば、世の中は変わっていくんじゃないかな。だから、自分が1分1秒でなにができるかを、常に考えていきたいです。

- 特集 - 2019年10月発刊 vol.145

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