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インタビュー取材しました。

心も身体も 楽しくすこやかに
株式会社すこやかコーポレーション 代表取締役 保田 亜紀子 氏 インタビュー

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神奈川県横浜市戸塚区。江戸時代には東海道の宿場町として栄え、現代においては東京や横浜のベッドタウンとなっているこの地域に、40年以上続いている自然食品の店があります。店の名前は「すこやか広場」。現在、この店を運営しているのが、株式会社すこやかコーポレーション 代表取締役の保田亜紀子さん。保田さんは昨年まで父子で店を運営してきましたが、今年に入り、代表を受け継ぎました。時代の変化に応じながら長く続いてきた自然食品店。その歴史と、これから伝えていきたいことを伺いました。

株式会社すこやかコーポレーション 代表取締役
滝風イオンメディック認定アドバイザー
食育アドバイザー
保田 亜紀子(やすだ あきこ)

9歳のときに父が体調を壊し「食」を見直したことで全快。農薬や化学肥料に頼らない野菜、添加物のない食品に感動。食生活が一変。銀行に就職したものの、合わなくて退社。父が経営している自然食品店「すこやか広場」に少しの間だけ手伝うつもりが23年に! 現在父から経営を引き継ぎ、妹とスタッフに支えてられ奮闘中。夫と12歳の娘と10歳の息子と4人暮らし。

父の体調不良をきっかけに
「普通」の食生活が一変

――保田さんはお父さまと「すこやか広場」を運営されてきたとのことですが、子どものころから自然食品に関心をもっていたのですか?

保田 自然食品について知ったのは、小学校三年生のときです。父が体調不良になって、知り合いの方から食事を変えることを勧められたのがきっかけでした。それまで普通の食事だったのが、玄米を食べるようになって、食事に気をつけるようになったところ、父の体調がすごく良くなったんです。母も驚いていました。父は、本を読んだり、生産者さんを巡ったり、本当にいろいろ勉強していました。学校の授業の一環で、先生に頼まれて父が農薬の話をしたこともありましたね。

――当時の保田さんにとって、その変化はどうでしたか?

保田 最初はすごく嫌でした。玄米を百回かむように言われて、なんでこんなにおいしくないものを百回もかまないといけないんだろうと思っていましたし、それまでスーパーでカラフルなお菓子を買ってもらっていたのに、自然食品店のクッキーといったら乾パンみたいで、お弁当も茶色っぽくて、お肉もないし、嫌なイメージはありました。ただ、だんだん慣れていったところもあります。それに、体調を崩したとき、家で玄米と味噌汁を食べていると治るので、食の大切さが身に染みてわかってきて、関心をもつようになりました。小学校高学年になると、父が読んでいる本を一緒に読むようになったりして。

あれを食べちゃダメ、これを食べちゃダメ、というふうに言われなかったのも良かったのかもしれません。子どものころは普通にファーストフードを食べることもありましたが、父は「家できちんと玄米と味噌汁を食べてさえいれば良い。そうすれば絶対気づくときがくる」という考えでした。

――お父さまは、ご病気になられるまでは自然食品についてあまりご存じなかったんですか?

保田 はい。父はもともとトラックや電車などを製造している会社に営業マンとして長く働いていて、そのころは家族で北海道に住んでいました。病気をして食事を変えてからも、仕事は続けながら、自然食品の勉強をしていたんです。ところが私が小学校六年生のとき、自然食品の販売を手がけるオーサワジャパンで、運転手の募集があるのを母が見つけて、父に勧めたんです。父は「これだ!」という感じで転職を決めて、家族で横浜に引っ越しました。私は、父が好きなことができれば良いと思っていましたし、横浜には母の実家があったので、家族の反対もなかったですね。

運転手の募集で採用された父ですが、入ってみたら営業だったそうです。どんどんほかの仕事も任されるようになり、東北沢店の店長を経て、マクロビオティックの普及団体である日本CI協会で活躍するようになりました。そして、父がオーサワジャパンの営業をしていた店のひとつ、自宅の最寄り駅、戸塚の自然食品店の店主から、ぜひ店を引き継いでほしいと熱望され、「すこやか広場」として引き受けることになったんです。メーカーで働いていた父にとって、店では最終的に商品を買うお客さまの声を直に聞けるというところが魅力的に感じられたようです。

作り手を想い、背景を知る
だから伝えられることがある

――保田さんが店の運営に関わるようになったのはいつからですか?

保田 もともと私は銀行に就職したのですが、仕事が合わなくて10カ月しか働けませんでした。新人のときから厳しいノルマがあって、金利は低いのに定期預金を薦めないといけなかったり、大量のお金を扱うなかでお金がお金じゃないような感覚になってきたりして、それがすごく嫌で、仕事に行けなくなってしまったんです。それがちょうど父が店を引き継いだ年で、次の就職先が決まるまでと思って、店でアルバイトを始めたのが最初です。ところがそれが楽しかったんですね。自分が使っている商品や、良いと思う商品を薦めるだけでものが売れるというのが、すごく楽しかった。気がついたら、そのままここまで23年経っていたという感じです。

――店で仕事を始めて、大変なことはありましたか?

保田 最初はわからないことだらけで、お客さまに質問をされても答えらえなくて、大変でした。父が配達に出ているときにお客さまになにか訊かれると、その度に父に電話をかけていました。でも、そういうことを繰り返しながら、自分で勉強もしましたし、商品を食べ比べたりして、だんだん自分の言葉で伝えられるようになってきました。商品のことがわかるとどんどん楽しくなります。自分の基準で販売する商品を選べるのも楽しかったです。

一から店を始めるとなるとかなり大変だったと思いますが、もともとあった店を引き継いだので、お客さまも継続して来てくださって、ありがたかったです。店は今年で通算48周年。自然食品店では日本で一番古いくらいではないでしょうか。最初はこの場所ではなく、近くの商店街のなかに店があったのですが、12年前に再開発で今の場所に移転してきました。

――ここまで23年間、店を運営されてきたなかで、時代の変化を感じることはありますか?

保田 今はスーパーやネット通販でも簡単に自然食品を買うことができるので、そのなかでわざわざ店に来て買うだけの価値が必要だと感じています。私たちのような専門店の強みはなにかと考えると、ひとつひとつの商品に思い入れがあって、生産者さんのことを知っていて、値段だけではない商品の背景を説明できるということだと思うんです。スーパーで有機食品を買うことはできても、詳しい説明ができるスタッフはなかなかいないですし、認証はついていないけれど農薬を使っていないなど、表示で表せない部分などはその場ではわからないですよね。また、すこやか広場では、千円以上の買い物をしていただくと、無料で血管年齢測定ができるという特典も提供しています。そういった店に来ていただくための工夫も必要だと思います。

店舗の運営を続けるのは楽ではありませんが、それでも私は結構運が良いと思って生きています。これまで毎年必ずヒット商品があって、それに助けられている感じです。たとえば今年でいうと、「滝風イオンメディック」という商品ですね。この商品は、マイナスイオンを生成することで空気を浄化してくれる商品です。子どものころから食事や水には気をつけていたのですが、この商品に出会って、空気を選ぶという意識がなかったなと気づきました。考えてみれば、体内に一番入ってくるものは空気です。自宅で使ってみると、ダニアレルギーもちの娘の具合が改善したり、部屋干しの臭いが気にならなくなったり、本当に良いものだとわかりました。ただ、値段が高いので、簡単には買ってもらえないだろうなと思いました。そこで自分が経験したことを伝えていこうと思い、認定アドバイザーとして勉強会なども開催しています。

店の前にて。保田さんのお父さんが作ったという「食は命の源」の旗が目印

――自然食品業界では、「体温を上げる」ことが重視されますが、保田さんが特に気をつけている点はありますか?

保田 そもそも店で扱っている商品は、体温を上げるものばかりですね。「滝風イオンメディック」も、マイナスイオンの影響や空気が良くなることで体調が整い、体温が上がるものだと思います。また、私は森修焼が好きで、よくペンダントを身につけているのですが、このおかげで体温が上がったと思います。もともと私は体温が高いほうだったのですが、それが年齢とともに少し下がってきたので、日ごろから意識的して体温を上げるようにしています。体温って高いよりも低いほうが、病気になりやすかったり、老化が進んだり、深刻なんですよね。

食品や化粧品、雑貨など店内には数千点の商品が並ぶ。冷蔵品や出来立てのパンもある

――保田さんは結婚されて、お子さんがいらっしゃるんですよね。ご家庭の食事などはどのようにされていますか?

保田 食事については、結婚前まではマクロビオティックに近い感じで、お肉はほとんど食べませんでしたが、結婚してからはだんだん緩くなっています。主人と、小学六年生の娘、そして小学四年生の息子がいるのですが、主人も息子もお肉が好きなので、出さざるを得ないという感じです。でもお肉を出すときは、飼料や抗生物質に気をつけるようにしています。基本的には、父が私に教えてくれたのと同じように、外では自由にして良いから、家ではきちんとしようという方針です。私自身、以前は合成添加物入りの加工品を食べるとすごい罪悪感があったのですが、今は、外食をしても良いけどその代わり寝る前に酵素を飲もうとか、外食が続いたからしばらくは家で玄米と味噌汁をきちんと食べようとか、バランスを取るようになりました。そのほうが気が楽になって、長く続けられます。周りの人にも、脅したり押しつけたりするのではなくて、「それはなに?」と自然に興味をもってもらって、「ちょっと真似してみようかな」と思ってもらえるのが良いですよね。店でもそう思って、毎月発行する会報誌を大事にしていて、そこでお客さまにも自分自身が興味をもち、気づいてもらえるような情報をお届けするようにしています。

子どもたちにはそれぞれ好きな道に進んでもらいたいですが、たとえば娘が結婚して子どもが生まれ働き方を変えようとしたとき、一緒に店をできたら良いなという夢はあります。でも息子も店を継ぎたいと言っているんですよね。子どもたちも店で扱っている商品と市販品との違いはわかってくれていて、店に良いイメージをもってくれているのだと思います。

――今後、店をどのように続けていきたいですか?

保田 去年までは父が社長だったのですが、今年から私に代替わりしました。店の内装など、少しずつ変えているところもあります。それまでも仕入れや接客などは私の担当でしたが、いざ父の仕事を引き継いでみると、こんなことまでやっていたんだということもあって、あっという間に時間が過ぎていきます。でもなんとか次につなげていきたいですね。10月に消費税増税があってから、皆さん食費を節約しがちだと思うのですが、たとえばお米など、たくさん食べるものほど、きちんと選んでほしいです。逆にたまにしか食べないものは、そこまで気にしなくて良いのではないかと思います。

最近、昔から変わらず良いものを作っているのに、宣伝に手が回らず売上が下がり、苦しんでいる生産者の方の話を聞きます。今の時代、同じ商品でも見せ方で売れ行きがかなり変わるので、そこは小売店がしっかりすべきところだと思っています。そういったところで、小売店同士が共存共栄で一緒に頑張っていけたら良いですね。

- 特集 - 2019年11月発刊 vol.146

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