(前回からの続き)
では、いよいよ 観念= 思考=自我を手放しましょう。
ポイントは「徹底的に許すこと」です。まず強い感情がある時は、その感情をじっくり感じてみてください。例えば誰かに対してイライラして、怒りの感情を持っている時。イライラの原因になっている相手のことは考えずに、ただあなたが感じているイライラだけをしっかり感じます。もし、自分自身に対して、怒ってはいけない、イライラしてはいけないと考えてしまう時は、「怒ってもいいよ、イライラしてもいいよ」と許可を与えます。感情を抑えようとすると、心にさらに負担がかかるので、今は感情が出ても良いのだと考えてください。そして出てきた感情を「今自分はイライラしているんだなぁ」と認めてあげてください。
注意して欲しいのは、その感情が出てくる原因を、自分の外側に探して「景気が悪いのがイケナイ」「あの人はあんな事いうべきではなかった」と思考を走らせてしまうと、感情は更に増幅してしまいます。あくまでも、今そこにある感情だけを対象にして、その感情そのものを「感じる」ことに意識を集中しましょう。「今自分は~と感じているんだなぁ」と心のなかで唱えると良いと思います。感情はすぐに消えない場合もあるので、何度も何度も「いま自分は~と感じているんだなぁ」と繰り返しましょう。
この方法はどのような感情にも使うことができます。言葉で言い表せないモヤモヤした気分であれば「今自分はモヤモヤしているなぁ」とその気分が落ち着くまで何度か繰り返してみてください。かなり強力な浄化方法です。マイナス感情が動くたびに、繰り返し行えば、これだけでもストレスは減るはずです。
次に、自分のなかのどういった「観念」がそのマイナス感情を作り出しているのかを探してみましょう。今は落ち着いているけど何かすっきりしないという方も多いと思います。だれでも簡単に、自分の観念(ルール)を見つける方法を紹介します。まずこの人苦手だな~と思う人を思い浮かべます。そして、その人のどのような部分に対して、マイナス感情を抱くのかを考えてみてください。その人は、どんな感じがする人ですか? その人を一言で表現すると? その人のどんなところが変わればいいのにって思っていますか?
例えば僕の場合、「もうちょっと空気を読んでくれたらいいのに!!」と思ってイライラする事があります。これは僕の中に「空気を読まないといけない」というルール(観念)があるからです。過去を思い出してみると、子どもの頃に学校の先生が、その日の気分によって態度が違うことがすごく気になっていました。毎日、朝一番の先生の顔色をみて、「今日は機嫌が良くてよかった」「今日は機嫌が悪い、嫌だな」と一喜一憂していました。そして大人になった今も、空気を読まないといけない状況が現れると、自分の心の傷を触られたような気になってしまい、イライラしてしまうのです。
(つづく)
山内昌樹
医師 山内昌樹氏 平成19年まで一般小児科医として診療を行うかたわら、統合医療を志しYHC矢山クリニックで小児科を担当。平成22年12月佐賀市内に『統合医療やまのうち小児科・内科』を開院。 医師となってから、重病の患者さんが劇的な回復をすることや子どもの生命力の素晴らしさなどを経験するも、個人差を考慮しない画一的な治療、ステロイド薬や免疫抑制剤の副作用など、西洋医学の限界を感じる。 漢方薬や代替療法と西洋医学を融合して治療を行うYHC矢山クリニックで小児科を担当、病気の真の原因を学び、実際の診療で効果が見られることを経験。 |
統合医療やまのうち小児科・内科 当院では漢方薬を中心に、代替療法、西洋薬を一人ひとりに最も合うように治療します。乳幼児から御高齢とわず、未病の治療や健康維持から、慢性疾患の治療まで幅広く診療を行っています。 〒849-0915 佐賀県佐賀市兵庫町藤木772-3 電話:0952-33-8500 http://www.yamanouchishounika.jp/pc/ |