昨年11月号より、病気を食事で治療した実例と実際の施設について書いてきました。紹介してきた症例と施設では例外なくPBWF(プラントベースホールフード:植物性の食材を可能な限り精製・加工しないで食べる)が実践されていました。プラントベースの食材を摂取する意味については以前にも書いていますが、今号では食材の精製・加工について詳しくお話しします。
精製・加工しない
精製しないとは、白い砂糖ではなくサトウキビ、オリーブオイルではなくオリーブの実、白米ではなく玄米を食べることです。精製するとたんぱく質、ビタミン、ミネラル、食物繊維、ファイトケミカルなどが取り除かれ、バランスを欠いた状態で脂質や糖質が残ります。このような食品をエンプティカロリーといい、糖や脂質をエネルギーに変えるための栄養素が失われているため、食べたものをエネルギーに変えられず脂肪として蓄積されます。
広い意味での加工(食品)は保存性や利便性を高めるため過度な調理や添加物を使用した食品を指すので摂取するべきではないのですが、ここでは狭い意味での加工である調理に伴う栄養素の変性について説明します。食材を茹でて水溶性ビタミンが流れてしまったり、高温の加熱調理でたんぱく質やビタミンなどの栄養素が壊れたりして、吸収されにくくなることはよく知られています。また、老化の原因物質AGEsは加熱により、タンパク質が糖と結びつくことで生成されます。そして食材の加工による栄養素の変性で重要な一つが「酸化」です。ビタミンCに限らず植物には抗酸化物質が豊富に含まれているので、その効力を発揮させるためには加工による酸化を防ぐことはとても重要です。
簡単スムージー生活
私は毎食200gくらいサラダを食べています。しかし、そんなにたくさんの生野菜は食べられない、または3食プラントベースホールフードにするのは大変という方は、朝食を野菜と果物のスムージーに置き換えるだけならできるのではないでしょうか。材料は200gのサラダとバナナ1本と水のみです。
以前は普通のブレンダーを使用していたのですが、今はアメリカの有名ローフード料理家で親友のジェニー・ロス氏の勧めで、コンテナ内を真空にできるブレンダーを使用しています。
真空ハイスピードブレンダー「ダイナプロ」はパワフルなモーターを搭載しているためとても滑らかな食感に仕上がるだけでなく、コンテナ内を真空にして撹拌するため食材を酸化させません。リンゴが茶色くなるのは空気中の酸素がリンゴの断面を酸化させるからです。真空状態で撹拌すれば食材の酸化が最小限で済み、フレッシュな食材の色彩そのままに仕上がり、鮮やかな色は長時間キープされ、実際の保存期間も長くなるのです。
また、よい野菜は生で食べたときに甘いのに、スムージーにしたら苦くなるという印象がありました。ところが「ダイナプロ」で作った、緑の葉っぱだけのスムージーは甘くて美味しかったのです。苦味は酸化の味だったのかと気がつきました。
健康のためにホールフードで野菜と果物を摂ろうとしても、調理の過程で食材が酸化されては非常に残念です。すっかり惚れ込んだ真空ハイスピードブレンダー「ダイナプロ」を日本仕様にして輸入しました。オンラインで販売をしていますので興味があるかたは左記にアクセスしてみてください。
注)「ダイナプロ」はプレマ株式会社では取扱していません
※植物が紫外線や昆虫など、植物にとって有害なものから体を守るために作りだされた植物性化学物質のこと。色素や香り、辛味、ネバネバなどの成分