7割以上が未病
お姫様の日(生理期間)に「生理痛」を感じる女性は少なくありません。わたし自身も、若いころずっと生理痛に悩まされていました。しかし、当時のわたしは、病気ではないからとあまり気に留めず、毎月とりあえず痛み止めを飲んでやり過ごしていました。布ナプキンと出逢ってから女性の身体のことを学ぶようになり衝撃的だったのは、本来健康な状態であれば、生理で強い痛みが伴うことはなく、ひどい痛みを伴うのは「月経困難症」といって治療が必要な未病の状態だということです。現代では7割以上の女性が何らかの生理痛の症状を感じているということですから、7割以上の方が既に病気か未病の状態だといっても大げさではないのです。
よく考えてみれば、確かに生理痛に関わらず身体に起こる「痛み」という感覚には、ちゃんと意味があります。自分を「苦しめること」が目的で無駄に痛みがあるわけではないのです。「痛い」と感じると、わたしたちは反射的に動きを止めじっと休みます。犬や猫など動物を飼ったことのある方はわかると思いますが、彼らが怪我や病気をしたとき、食べたり動き回ったりせずに、とにかくじっとしていますよね。身体はわたしたちの意識に痛みを感じさせることで「動きたい」という気持ちを萎えさせるしくみを備えています。
そのすばらしい身体の機能「痛み」の部分だけを、とりあえず薬で抑えて、いつも通りに活動するのは「休んでよ!」という身体の声を無視していることになり、それを繰り返すことで身体が壊れていくのも自然な流れなのです。
「とりあえず」では解決しない
わたしは決して痛み止めの薬が悪い、と否定しているわけではありません。もし飲むのなら、痛みがひどくなってからよりも早めに飲んだほうが効果的です。でも肝心なのは、飲んだあと。周りにできるだけ甘えて、重いものを持つことや面倒な作業をやめ、ゆっくりとやさしい気持ちでじっと休んで過ごしましょう。そう、まるでお姫様のような気分で。
「とりあえず」痛みを抑えることが必要な場合も確かにありますが、痛みを繰り返す根本的な原因を探して対処していくほうが賢明ではありませんか? 西洋医学と東洋医学のアプローチの違いで大きく分かれるところですが、生理痛の起こる根本原因は人それぞれです。大きな病気でないことがわかっているならば、一度漢方薬局などで細かなカウンセリングを受けて、体質や日頃の生活習慣に合わせたオリジナルの漢方を処方してもらうことがおすすめです。
よく「布ナプキンで生理痛が治りました!」などのご感想をいただくことがあります。しかし当然ですが、布には生理痛を抑える効能などありません。ではなぜなのか?と考えますと、まず布の温かさが「冷えとり」になること。そして、自分を大切にする体験がストレス緩和となり、それによって身体が変化することもあるのかもしれません。つまり、布ナプキンではなく自分の「心」の力で治しているのです。お姫様の日は特に、自分をたっぷり愛してあげましょう!