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でこぼこ道を歩むなかで

でこぼこ道を歩むなかで発達凸凹を持つ シンガーソングライターによる日々の気づき

応援ソングライター

yu-ka (ゆーか)

兵庫県生まれ。関西学院大学国際学部卒。日々の生活で感じた喜びや悲しみの感情たち、大切な人へのメッセージを曲にしてきた。2017 年シンガーソングライターとして活動開始。発達障害当事者で、発達凸凹の方を応援する『はったつソング』を作って歌ったり、一人ひとりに想いをヒアリングしてその方の背中をそっと押すようなオリジナルの応援歌『応援ソング』を作って届けたりしている。

音楽に触れて涙が浮かぶとき

投稿日:

音楽を聴くと、こらえきれずに、つい涙してしまうことがあります。また、ピアノで曲を弾き語りしていると、聴いてくださる方の涙と出会うことも。そのような瞬間には、何が起こっているのだろうと、最近ふと考えています。

きっと、曲の聴き手・作り手、それぞれの要素が重なり、聴き手の涙に繋がっているのだと感じます。まず、自分が曲を聴く際に、どんな言葉に反応しているのだろうと振り返ってみました。すると、「いいよ」という声掛けに弱いと、気がつきました。

自分には言えなかった「いいよ」

「迷ってもいいよ。立ち止まってもいいよ。また立ち上がってもいいよ。上手くいかない日があってもいいよ。好きなことをしたっていいよ。自分のなかに、ダメな部分があってもいいよ。もう遅いと諦めなくてもいいよ――」
そういった言葉が急に流れてくると、思わず泣いてしまいます。

だれがその言葉を発しているかも重要な気がします。なぜか小さいころから、人の生きざま・物語を知ることが好きでしたが、ソングライターに対しても決して例外ではありません。

自身が難病にかかり、活動休止を余儀なくされた方の、「負けたくないと悔しがっているならば、夢に近づいているから大丈夫」というメッセージ。遅咲きであると自負しながら、現在第一線で活躍している方の、「自分を信じよう。まだまだ始まったばかりだ」というエール。路上ライブを積み重ね、武道館単独公演を果たした方の、「最初は人目が怖くて歌えなかったが、出会いに励まされ、目標に向かって歌う日々を続けられた」という言葉。

辛いときを乗り越えたからこそ、紡ぎ出された歌詞だと知ると、何倍にも重みを感じて胸を打つ。作詞者の生きる姿勢そのものに、背中を押されているのではないでしょうか。聴き手側の状態としては、気持ちに少しでも余裕があることが、鍵になっているかもしれません。良い歌詞も、受け手の心が完全に閉ざされているときには、入る隙間がありませんよね。

一方、曲の作り手の状態として、「人に対してオープンであること」、「自己受容」ができる、あるいはそこに向かおうとしていることが重要なのかもしれません。上記で記した「いいよ」をメッセージとして届けるためには、自分のかっこ悪さ、情けなく感じる瞬間、大きな失敗……そういったことを受容し、周りに開示することを恐れない必要があると思います。かっこつけていれば、歌を聴く人との接する面積が、きっと小さくなってしまう。多様な面を開示できるほど、きっと聴き手と心から繋がれるのでしょう。

恥ずかしい例を挙げてみます。周りの人がみんな、順調に進んでいるように見えるなか、一人取り残されたように感じた時期がありました。『1/f(えふぶんのいち)ゆらぎ』という曲を作ったとき、モヤモヤを歌詞に込めてみました。『時に迷いながらも着実に島へ泳いでいくあなた 横目で見ながら私は波と右往左往 ただ浮遊している』。自己の不安を吐き出した歌を、作品として掲載することに勇気が要りましたが、「この気持ちは自分だけではないとホッとした」との声をいただいたこともありました。

作り手としては「自分のこと?」と思うような歌詞を書けるかどうかも重要な点かもしれません。「曲を聴いて泣く瞬間は?」と友人に聞くと返ってきたのは、「曲を自分と重ね合わせたとき」。そう思ってもらえるような作詞力の向上と共に、等身大の自分の気持ちや状況を書けることもまた重要でしょう。

今後、曲を作り届けるうえで、「いいよ」と自分に対しても許してあげること。葛藤も隠さず表現すること。日常で感じた小さなことを曲にすることを、心がけてみたいものです。あなたのなかにある大切な気持ちと、出会えますように。

- でこぼこ道を歩むなかで - 2019年9月発刊 vol.144

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