今さら聞きにくい「よく聞く言葉」を詳しく解説します
食材を買いにスーパーに行くと、必ずといっていいほど「減塩」という文字が目に入ります。一方、焼き肉などの外食に出かけると、見たことのないような塩をあれこれ食べる機会もあります。体のためには適量の塩がいいと分かってはいますが、どんな塩を選んだらいいのでしょうか?(亀岡市・料理が趣味の新婚妻より)
A.塩は命の源。本物の塩を見極め適量を摂ることが大切
答える人 中川信男
近年、熱中症のニュースを多く耳にしますが、減塩ブームと関係しています。熱中症の原因は、塩不足。汗をかきミネラルが抜けて脱水症状になるのです。もちろん摂り過ぎは何であれ毒になります。
日本では、塩は1905年から専売制となり、その後、1949年に日本専売公社を設立。1971年に「イオン交換膜透析法」を全面導入しました。この製法により海水中のミネラルが完全に排除されたものが「専売塩」と呼ばれるものです。「塩化ナトリウム99%以上」となってしまったにもかかわらず「食塩」と呼ぶことが一般的になりました。高血圧などに影響しているのは、この「専売塩」の多量摂取によるものであり、本物の塩に害があるわけではないのです。
ミネラルを含む天然塩を少量ずつ積極的に摂取する
製塩法は、太陽光や風で乾かし濃縮していくなどの様々な方法があります。日本は湿度が高く、太陽光だけで結晶化するのは困難で、最終的に釜で炊いて結晶化する方法が多いと思われます。岩塩を輸入して、日本の海水に浸け、にがりを足すという製法もあるようです。こういった製塩法に良し悪しがあるのではなく、ニガリやミネラルの割合をお好みで選んでいただければと思います。ただし、虚偽表示している業者には要注意。ポイントは「食用塩公正取引協議会」に加盟しているかどうかを確認すること。輸入自由化の流れを受け2007年に設立されました。加盟企業の是非はさておき、同業他社の監視の目が届いていることもあり、少なくとも記載事項に偽りがないといえるでしょう。商品のパッケージの「塩の公正マーク」が目印です。
いわゆる天然で作られた塩を、きちんとした会社から購入すること。特に「海の精」については、天然自然塩のなかでも別格です。原料は、伊豆大島の海の水100%。塩田に海水を引き込み、風で濃縮度を上げ、釜で炊いて結晶化させるという伝統的な製塩法で作られており、海のにがりがそのまま入っています。
日本人は海水塩を、ヨーロッパでは岩塩を、長い歴史のなかで食してきました。岩塩には特有の微量ミネラルや、海水塩には無い抗酸化成分が含有されています。弊社の薪製法の塩「八福乃塩」を始め薪で炊いたものなど、電気やガスではない薪の火を入れた塩もおすすめです。塩は命の源です。適切にとることが重要です。特に、夏場など、積極的に摂取していくと活力が湧いてきます。