遠赤外線は体を温めるから健康にいいとなんとなく思っていましたが、そもそも遠赤外線はなぜ健康にいいといわれるのでしょうか。
(東京都・寒がりには夏もつらいよ)
A.人の波長に近く、健康によい影響があります
答える人 プレマ株式会社 お客様コンサルティングセクション 岸江 治次
この世の中、すべてのものは波でできています。日常のなかでもいたるところに波がありますね。海に行くと波が寄せては返し、池に石を投げるとポチャンと波紋ができる。最新の物理学でも、細かく分析するとすべてのものが原子になり電子になり素粒子になり、最終的には波があるということがわかっています。そして私たち人間も波を発しています。
遠赤外線とはなにかというと「光線」で、大きな意味でいうと電磁波です。光線も波でできており、波長(波と波の間のこと)の長さによって分類され、目に見える領域と見えない領域があり、性質にも違いがあります。わかりやすい例が雨上がりに空にかかる虹です。下から紫、藍、青、緑、黄、橙、赤と順番が決まっていて、これらのように目に見える光のことを可視光線、あるいは太陽の光を反射することによって見えるため反射光ともいいます。この虹の七色を基準として、紫よりも波長の短いものが紫外線、赤よりも波長が長いものが赤外線です。これらは不可視光線といって目には見えません。
遠赤外線とは、赤外線のなかでも可視光線の領域から遠い波長の光のこと。遠赤外線の波長は3ミクロンから1000ミクロンもの幅がありますが、私たち人間が普段出している波長は約10ミクロンなので、遠赤外線の波長のなかでこの10ミクロンに近い波長のものを受けると共振が起こり、より影響を受けやすいです。さらに最近の研究では同じ遠赤外線のなかでも6~14ミクロンの波長のものを活性光線、あるいは育成光線といい、生物の育成、人の健康にとってプラスの影響を与えるということがわかってきました。電磁波のなかにも、遠赤外線のように人にとって健康効果の高いものもあれば、逆に人工的につくられたマイクロ波(赤外線よりもさらに波長が長い)などは生物にとってデメリットがあるということもわかってきています。
このように科学的にもいろいろなことが解明されている遠赤外線ですが、実は昔から私たちの生活に密接に関わってきました。たとえば石焼き芋や天津甘栗。芋や栗を直接火で焼くのではなく石を使って間接的に焼きますが、不思議なことに表面は焦げていないのに内側はホクホクと火が通っています。これは石が遠赤外線を発しており、遠赤外線の作用で内側から温めるからです。炭も同じで、ごはんを炊くときに炭を入れたり、焼鳥や焼肉も炭火で焼いたものは中から火が通るのでおいしいですよね。ほかにもマイクロ波を使った電子レンジで温めた水より、遠赤外線で温めた水のほうがおいしく感じられたりなど、遠赤外線が私たちによい影響を与えてくれるのは、人間が出している波長と遠赤外線の波長が合っているから。冒頭であげた海で起こる波も、じっと見ていると私たちの呼吸のリズムに合っているということがわかります。
遠赤外線は、人間の体も内側から温めてくれます。体内を温めることは健康の秘訣ですから、これは非常にうれしいメリットといえるでしょう。
体内を温め、食べ物をおいしくする遠赤外線。身近なところでは炭や石、岩、陶器やセラミックといったものが遠赤外線をたくさん出しており、これらを上手に活用することでよい影響を受けることができます。健康的な生活のために、電磁波のなかでも人に有効な遠赤外線を普段から意識してみてはいかがでしょうか。