非常食を備えておこうと思うのですが、市販でもいろんなものがあり迷っています。最低限これを用意しておけば安心というものはありますか?(大阪市・岸江さんのファンです)
A.生命をつなぐ最低限の食「米・水・塩」は必須
答える人 プレマ株式会社 お客様コンサルティングセクション 岸江 治次
日本という国は島国で、昔からいろんな天災が起こっています。一昔前までは地震や台風で大きな被害がありましたが、近年では異常気象といわれるように気候が変化し、毎年のように大雨や大洪水が日本のどこかの地域で起こるようになりました。
天災という言い方をしましたが、異常気象は人類がつくった文明による温暖化や環境破壊による気候の変化が原因で、今までなら被害が出なかったところでも大きな被害につながっているため、人災ともいえます。
人が増えすぎているというのもあるかもしれませんが、文明が進歩したことで便利な生活を送れるようになった反面、ちょっとした気候の変化で大きな被害が出てしまう。いつなんどき災害に見舞われるかわからないという時代になってきていますから、日常的にいざというときのための準備をしておく必要があります。
では、そういったなかで非常時のためになにを用意しておけばいいかということですが、基本的にはややこしく考えずにシンプルでいいです。非常食だけに限りませんが、私たち人間がなにを食べて生きていくのか、私たちの命をつなぐ最低限の食がなにかということを覚えておけば安心です。
動物には食性というのがあります。たとえばパンダは笹、コアラはユーカリというように、生き物がそれを食べて生きていくという、言うなれば天から与えられた食物です。人間の場合はなにかというと、人の身体は7割以上が水でできているため、水は絶対に欠かせません。もうひとつが塩、ミネラル。そして米、穀物。米(玄米)は食べ物のなかでも栄養のバランスが一番よく、人が生きていくうえで絶対に必要な栄養素がすべて含まれています。
このように米、水、塩があれば命をつなぐことは可能ですから、最低限これらのものを用意するようにしましょう。ただし非常食が必要なときというのは、洪水にしろ地震にしろ、水道、電気、ガスなどのインフラが途絶えることが多いですよね。極論をいうと米を生のままかじればいいのですが、料理をしなくてもすぐに食べられるレトルトやアルファ米があると非常に助かります。また、水がないときに助かるのが、米と水がセットされた状態のもの、つまりおかゆです。なかでもおすすめは玄米がゆ。災害に見舞われると人は不安に襲われてストレスが溜まり、身体の調子が悪くなることが多く、怪我をしている可能性もあります。そういうときに不足しがちなのがビタミンですが、玄米はタンパク質、脂質、炭水化物のPFCバランスにすぐれているうえにビタミン、ミネラルも含まれており、くわえてマクロビオティックの観点からいうと玄米小豆がゆが理想です。小豆は栄養が豊富で腎臓にもよい効果があります。
インフラの復旧には3〜4日かかるので、こういったものを1日3食、3日分、人数分用意しましょう。これらは日常的にも食べられるので、賞味期限を見ながら入れ替える、ローリングストック法をおすすめします。
また、最近では加工技術が進み、缶詰やレトルト、フリーズドライなど、いろんな形の非常食がつくられています。粉末状の青汁などもあり日持ちもしますから、そういった備蓄に耐えうるものを普段は体調のコントロールに使い、非常事態にも元気を得られるものとして、備えておくとよいでしょう。