健康診断で血圧が高めと言われたことがあり、血液をサラサラにしたいのですが、どうすればいいのでしょうか?
(千葉県・血も髪もサラサラにしたい50代主婦)
A.生活習慣と食事を意識して、適度に運動を
答える人 プレマ株式会社 お客様コンサルティングセクション 岸江 治次
人間の体内では、食べたものが栄養となり細胞となって、古い細胞は壊れて外に出ていくことが繰り返されています。この細胞の入れ替えに重要な役割をもつのが血液です。食べたものは一旦すべて血液になり、栄養を乗せて体の隅々まで運ばれます。このとき血液がサラサラでないと栄養が滞り、体の調子が悪くなります。
では、血液がサラサラとはどういうことかというと、ポイントは血管、血液、血流の3つ。大小いろんな栄養素を抱えた血液がサラサラと流れるためには、血管に弾力性が必要です。また、血管はとてもデリケートで、血管の中に傷ができかさぶたになると血管が狭くなり、さらにかさぶたが大きくなって血管を塞いでしまうと血栓になります。血液は、「血液を見るだけでその人が病気かわかる」というくらい重要です。血液を顕微鏡で見ると、サラサラの血液は赤血球が丸く離れて元気に動いているのに対し、ドロドロの血液は赤血球がいびつな形だったり団子状態だったりします。血管は、毛細血管までを合わせると地球2周半もの長さがあるといわれ非常に長いです。さらに、人間の体は心臓が上のほうにあるため、重力に逆らって全身によりよく血液を送るためには強靭なポンプ機能が必要です。
このように血管と血液と血流の3つの機能が揃ってはじめて、心臓が全身に血液をスムーズに回すことができ、血液がサラサラで健康な状態といえます。
血液がドロドロになるのは、肉や甘いものばかり食べて野菜をあまり食べない、暴飲暴食、たばこ、酒、運動不足、睡眠不足、ストレスなど、食生活や生活習慣が原因です。こういった生活習慣の変化により近年、脳梗塞や心筋梗塞が増えています。医療技術が進み、発見が早ければ命は助かることが多いですが、血液は毛細血管を通って酸素と栄養を絶えず供給しているため、少し滞るだけでも機能しなくなる部位があります。手が動かない、喋れないなど、血液に関わる病気は治癒しても大変なので、予防が大事です。
日本には昔から血栓を予防できる食べ物が身近に山ほどあります。まず、動物性の肉や油は人間の体温では代謝しきれず、必然的に血液が固まりやすいため摂りすぎないようにして、トマトや玉ねぎ、ニンニクをはじめとした野菜をたくさん摂りましょう。トマトのリコピンなど、植物がもつポリフェノールの抗酸化作用で血液がサラサラになります。きのこや海藻、納豆、サバ、酢もおすすめです。
人間は体の70%ほどが水分なので、水分をコントロールするのも重要。一定量キープすると同時に、ポリフェノールを含む日本茶やコーヒーを飲むといいでしょう。
こういったもので普段から予防はできますが、多忙な現代社会ですからどうしても血液がドロドロになりがちな方が多いです。そこで有用なのが日本の伝統的な食品である梅。果汁を煮詰めた梅エキス(梅肉エキス)に含まれるムメフラールが強力に血流を改善してくれるので、肉を食べたときに摂るなどうまく活用しましょう。また、下半身を鍛えると血流(ポンプ)の機能が強くなります。スクワットや大股で歩くなどして下半身やふくらはぎを刺激しましょう。
このように生活習慣と食べ物を意識し適度に運動すれば、血液がサラサラになり健康を保てます。ぜひ実践してみてください。