白湯を飲むと身体にいいと言われますが、ただの温かい水なのになぜ身体にいいのでしょうか?(手足の冷えが気になる50代主婦)
A.免疫があがり代謝もよくなるので朝の習慣に
答える人 プレマ株式会社 お客様コンサルティングセクション 岸江 治次
公共施設やショッピングセンターなどの建物に入るときに、感染拡大防止の観点から体温を測る機会が多くなりました。熱が高いと感染を疑われるので体温が低いと安心してしまいますが、36℃以下の体温は健康にとってあまりよい状態とはいえません。理想の体温は約36.5℃、体内温度は約37.2℃がよいといわれ、一番妊娠しやすい体温ともいわれています。
だれしも歳を重ねると老化しますが、病気になるとさらに老化が進みやすいので、病気を予防することが大事です。そのために重要なのは免疫力を上げること。体温が1℃下がると免疫力が30%下がるといわれています。しかし、最近は体内温度が36℃以下の低体温で、病気のリスクを抱える人が増えています。冷えを改善すると免疫力が高まり、病気にかかりにくく、老化しにくくなります。さらに体温が肌の調子や便通にも影響することがわかってきています。そのため、冷えないように気を付けることで、健康的に生活することができるのです。
「年寄りの冷や水」ということわざは、歳をとると何事も無理をしてはいけないという意味ですが、言葉の通り冷や水を飲んだら身体に影響が出るということ。昔から冷えた水は身体によくないと考えられていたことがわかります。「冷や水」というと、冷蔵庫で冷やした水と捉えてしまいますが、本来は常温の水のことです。季節や地域にもよりますが、10℃から30℃くらいでしょうか。それに対して白湯は40℃から70℃くらいです。身体は体温よりも冷たいものが入ってきたら冷え、温かいものが入ってきたら温まりますから、白湯の温度は体温より温かいのが基本です。昔から薬を飲むときは白湯で飲むようにいわれ、日常的に飲む習慣がありました。近年では白湯は健康によいことが科学的にわかってきて、若い人の間でも習慣として見直されてきているようです。
白湯はやかんなどで沸騰させた水を冷ましてつくります。水にはいろんな菌が入っているので煮出すことで殺菌効果が期待でき、水道水に含まれる塩素を飛ばすこともできます。白湯を飲むのは基本的に朝がおすすめです。朝飲むことで身体の代謝が上がって、おなかの調子もよくなり、日中に向けて活動しやすくなります。歳をとればとるほど、起きたときの身体のコンディションが落ちていくものですが、白湯を飲めば極めて元気に過ごせます。もちろん普段の水分補給に白湯を飲むのもよいです。
身体は70%が水分ですから、水を身体に摂り入れることは非常に重要です。服や食器を水で洗うように、人間にとっても老廃物を洗い流すためには水分が必要です。温かい水を摂ることで代謝があがり、血液がサラサラになり、血流がよくなるので、身体のなかの循環がよくなります。さらに、腸の働きも腸内環境もよくなります。代謝が悪いと腰や肩、膝なども痛みが出やすいですが、白湯を飲むことで解消できるというデータもあります。
白湯を飲むだけでこんなにすごい効果があり、非常にシンプルで手軽にできる習慣です。ぜひ一度試してみてはいかがでしょうか。驚くほどの健康効果にびっくりしますよ。