今妊娠中なのですが、友人の子どもが食物アレルギーで卵が食べられないと聞き、不安に感じています。食物アレルギーはなぜ起こるのでしょうか。(もうすぐ臨月を迎える30代主婦)
答える人 プレマ株式会社 お客様コンサルティングセクション 岸江 治次
文明の進歩も関係しているといわれます
今、食物アレルギーは社会的な問題としてとても注目されています。蚊や蜂に刺されたとき、かゆみや痛みが出たり、皮膚が腫れたりするのと同様に、本来体に良いはずの食べ物をなぜか異物として認識し、それを防御しようとする反応が食物アレルギーです。症状としては、かゆみやじんましん、咳やくしゃみ、鼻水、腹痛、下痢、ひどい場合はうつ状態になったり、喘息が出たりします。アナフィラキシーショックといって呼吸困難などの重篤な症状が起き、死に至ることもあります。
食物アレルギーには、個人差があり人によってアレルギー反応が出る食品は異なりますが、一般的に特定の食品に強いアレルギー反応が起きやすいことがわかっています。日本では法律でそれらの食品を特定原材料(乳・卵・小麦・エビ・カニ・そば・落花生・くるみの8品目)に指定し、表示を義務づけています。さらに、これらの特定原材料に準ずるものとして20品目(牛肉・豚肉・鶏肉・豚肉からよく作られるゼラチン・鮭・さば・あわび・イカ・いくら・大豆・ごま・山芋・まつたけ・バナナ・桃・りんご・キウイ・オレンジ・アーモンド・カシューナッツ)についても、可能な限り表示するよう努めることと推奨されています。ただし、これらの28品目だけでなく、ありとあらゆる食品にアレルギーを引き起こす可能性があるということを覚えておきましょう。
このように食物アレルギーは食品に起因するものですが、その食品自体が悪いのではなく、体の免疫反応によって起こるものです。食物アレルギーのメカニズムは、医学的な研究は進んでいるものの完全には解明されておらず、現時点では食物アレルギーの治療薬はありません。食物アレルギーの治療法としては、血液検査や食物経口負荷試験などでアレルギーが出る食物を特定し、その特定の食品を避けたり、症状を管理したりする方法が一般的ですが、根本的な解決策はまだなく、個々の症状や対処法は患者の個別状況に合わせておこなわれています。 もちろん症状が出てしまう方は、その特定の食品を避けるのがいちばんの防御策ですが、除去したからといって根本的な解決になるわけではないので、食物以外のほかの要因がないかを考えてみることも大切です。
食物アレルギーの増加には、現代社会における文明の発展や生活環境の変化が影響しているとされています。具体的には、ストレスや睡眠不足、化学物質や農薬、電磁波など、現代ならではの要因が絡み合って体の免疫反応に影響を与えている可能性が指摘されています。そのため食物アレルギーに悩む方は、まずはご自身の食習慣について、自然なものをまるごと食べる(一物全体)、生活している地域に合った食べ物を食べる(身土不二)という考え方を意識しながら見直してみて、それだけで解決できない場合は、電磁波やストレスの影響を強く受けている可能性があるので、それらの影響を取り除くことを検討してみましょう。自然から乖離した現代の生活環境が免疫に影響を与えているとすれば、体を本来の自然な状態に戻すことで、アレルギー症状を緩和できる可能性があります。さまざまな角度から自分や自分を取り巻く環境を見つめ直してみてはいかがでしょうか。