前号では3月に訪問したアメリカ「トゥルーノースヘルスセンター」での体験ついて書きました。メディカルチェックをおこないながら、ウォーターオンリーファスティング(以下「水断食」)、ジュースファスティング、そしてSOSフリー(Salt塩、Oil油、Sugar砂糖抜き)の食事法(もちろんヴィーガンです)を実践し、健康問題の改善や健康の維持向上の手助けをおこなう施設です。滞在中「コリン・キャンベル博士の『The Low-Carb Fraud』を翻訳した日本の医師はあなたか?」と多くの人が話しかけてきてくれました。そして、自分の身体に起きた変化を話してくれるのです。
ある女性は水疱瘡ワクチン接種直後に全身を激痛が襲い、どの病院を訪ねても良くならなかったものの、発症後9ヶ月のときに17日間の水断食をおこない回復したそうです。
ペルー出身37歳の女性医師は29歳のときに避妊用ピルを1回飲んだだけで全身が腫れ上がり、6ヶ月後にゲルソン療法をおこない80%回復、その後水断食を2回おこない99%回復しました。彼女はマチュピチュでリトリートファスティングセンターを作るつもりだといいます。
テキサスの農場で育った23歳の女の子は6年間生理がなく鬱もありました。大学に行く前に治したいと思い、ピルを4ヶ月飲んだところ顔中にニキビができました。31日間の水断食をおこなった4日目に鬱が治り、7日目、6年ぶりに生理がきました。もうすぐカイロプラクターになる学校に行くと話してくれました。
3年前に乳がんと診断された女性は直ちに水断食をおこない、今回が3回目の水断食。乳がんは縮小傾向にあるそうです。
最後の夜、8ヶ月滞在している女性が話しかけてきました。彼女はフィックス角膜内皮ジストロフィという角膜内皮細胞に異常をきたす遺伝性の疾患に見舞われ、2010年ごろほぼ視力を失いました。また、発症時59㎏ほどだった体重が、2017年には122㎏まで増加。彼女は、まずジョン・マクドゥーガル先生のリブインプログラムに参加。この施設を紹介されますが断食は危険と判断されSOSフリーの食事を指示されます。実践後1ヶ月で視力が戻り始め、今ではほぼ回復。体重も80㎏まで戻り、目標の54㎏になるまで滞在するつもりだといいます。
まず解毒をする
病気の症状のみに注目し、薬で抑えるだけでは不十分です。もし薬が有害であった場合、逆に健康状態を悪化させかねません。根本原因に注目することが何より重要です。そして多くの疾患の原因あるいは改善の妨げとなる有害物の除去、解毒は大変重要です。
メディカルリトリート
旅の最後に全米最大のナチュラルオーガニックの展示会を視察しました。そこで友人でありローフードの世界的第一人者の一人ジェニー・ロス氏の引き合わせで、ある青年と再会しました。彼は3年前に事故で亡くなったお父様が最後に執筆した『ジャストジュースダイエット』を多くの人に紹介したいと、私に翻訳して日本で出版して欲しいと依頼してこられたのです。
今回トゥルーノースヘルスセンターを訪れた目的は自分自身の解毒と日本の私の施設でメディカルリトリートをおこなうための準備をすることでした。本は私が指導しようとしているジュースファスティングについて理論的かつ実践的に述べられています。早く翻訳して教本として活用したいという意欲にかられ、日本での出版に向けて動き出すことを約束して帰国しました。他にも日本での紹介を託された本があり、翻訳予定の書籍は順番待ちに。医業とCHOICEのオーナー、そして、いつの間にか私の食養生の考えに合致する本を翻訳する仕事が増えています。