最近、私が実践する食事法について、「ヴィーガン(動物性の食材を摂らない)です」と説明するだけでは不十分と感じ、「プラントベースホールフード(PBWF)」という言葉を用いることが多くなりました。PBWFとは、精製や加工をしていない植物性一物全体食のことを指します。ヴィーガンに比べ馴染みのない言葉ですが、薬を使わず食事で病気を予防するだけでなく治療もする、ヴィーガンを超えた究極の食事法として、ヴィーガンと区別して説明しています。たとえば、診療や講演の際に、もっとも有効な糖尿病の治療方法はPBWFであるとお話をしたりしています(病気を食事で治療することの詳細は次回以降にゆずります)。
すでにお気づきの方も多いと思いますが、精製加工された白い穀物・油、トランス脂肪酸、食品添加物、健康に良くない方法(揚げ物や高温で炒めるなど)で調理された食べ物は、ヴィーガンであっても健康食とはいえません。たとえば、一般的なスナック菓子、菓子パン、清涼飲料水、ポテトフライ、白いごはんなどは、ヴィーガン食であっても「アンへルシー」と分類しています。植物性の食品をなるべく精製加工せずに食べることが重要なので、そのあたりの分類は曖昧にしないようにしています。
ベジタリアンやヴィーガンの概念はすでに一般に浸透しつつあり、言葉でわかってもらえることが多くなったのですが、食事で病気を予防し治療するPBWFの実際についてはまだまだ詳しい説明が必要です。
PBWFのガイドブック
アメリカで開催される「PBNHC国際プラントベース栄養医学会」(薬を使わずPBWFで病気を治そうという医療関係者の集まり。私は2015年の第3回大会から毎年出席しています)を主宰するアメリカの非営利団体「ザ・プラントリシャン・プロジェクト」が「プラントベースホールフード食生活スタートガイド」という冊子を制作・提供しています。本は診療のツールとして作られましたが「ザ・プラントリシャン・プロジェクト」のウェブサイトからダウンロードが可能で、一般の方にも提供されています(英語版・有料)。ガイドブックはPBWFの食生活が健康にとって最善である理由をわかりやすく解説し、PBWFを実践するために必要な具体的情報を網羅しているのですが、日本語版が存在しなかったため、日本の皆様に紹介しても活用していただくことができず、歯がゆい思いをしていました。「存在しないなら自分で作る」が私のモットーですから、ガイドブックの翻訳を申し出、さらに少しでも日本の食文化に馴染みやすいように監修・編集もしました。
日本語版の提供を始めています
ボランティアで日本語版を製作した功績を認めていただき、鈴木形成外科とCHOICEのウェブサイトからは無料ダウンロードの許可を頂戴し、すでに提供を開始しています。ダウンロードは苦手という方には製本したものを準備しましたので、ご希望の場合は鈴木形成外科もしくはCHOICEにお問合せください(印刷代のみご負担いただきます)。あらゆる方に手にとっていただき、健康生活に役立てていただきたいです。
ダウンロードはこちら
・鈴木形成外科
・Cafe CHOICE