いつもはPBWF(プラントベースホールフード:植物性の食材をなるべく精製加工することなく食べる)で病気を治療し、予防するお話や形成外科医としてのお話をさせていただいていますが、今回は少しプライベートのお話をさせていただきます。よろしければお付き合いください。
アメリカで柴犬を迎え入れる
スケーターになるという生涯の夢を7歳で見つけた娘は、夢に向かって邁進し続け、先月ショースケーターのプリンシパルとして就職、アイススケートリンクを備えた米国・ロイヤルカリビアンインターナショナル社の「リバティー・オブ・ザ・シーズ」という客船でのアイスショーで滑っています。
彼女が9歳のときに1年間、名門the Skating Club of Bostonで修行することになったのですが、私は仕事があるため一緒にアメリカで住むことができません。娘の「柴犬と一緒なら、ひとりでアメリカに住める」との言葉で、私たちは柴犬を迎え入れることを決めました。住まいを見つけてくれた不動産屋さんが、柴犬専門のブリーダーも見つけてくれました。アメリカでも人気の柴犬には黒、白、赤(茶色)、ごま(茶色に黒い毛が混ざる)の4色あり、私たちの家庭には、ごまがやってきました。その名も「ごま」と名付けた子犬は、娘の授業中は学校の教室の片隅でおとなしくし、スケートの練習中はスケートリンクの前で待ち、その穏やかな性格と愛くるしさで会う人すべてにかわいがられました。娘の帰国後、日本入国(輸入)の諸手続きを経て、1歳3ヶ月のときに日本にやってきました。その1年後には、ごまのためにもうひとりの家族、黒柴の「さくら」を迎え入れました。
私自身4歳の頃、台風の夜に迷い込んできた雑種犬の子犬「ころ」を飼い、大学生の頃は下宿の前に捨てられていた雑種犬の子犬「すーた」を飼うほど、親子で犬が大好きなのです。
犬にもPBWFが最善の食事
私がPBWFについて学ぶうち、犬にとっても最良の食事はPBWFであると知り、うちの子たちにもPBWFの食事を与えたいと考えたのですが、これというヴィーガンドッグフードは日本に流通していませんでした。安定して手に入れたい思いから、アメリカの親友にすすめられた「Vプラネット」の輸入・販売を2020年に開始します。「Vプラネット」はプラントベースであるだけではなく、安全で優れた材料を厳選しているからです。
一般に流通するペットフードの材料は、人間用に供給される食肉と同様にコストカットされています。効率よく食肉を得るためにホルモン剤と抗生物質が投与され、遺伝子組み換えの餌が与えられ、狭く不衛生な環境で生かされた家畜の肉が使われています。人間用も動物用も、流通しているほとんどの食肉には汚染物質が含まれますが、さらにドッグフードは、人間の消費に適さない部位と安価な肉(腐った肉、交通事故にあった動物、安楽死させた動物など)が主原料となっていることが少なくないのです。
歳をとり、体が弱ってきたごまに食べさせたいとの思いで輸入を決めたVプラネットですが、輸入手続きに時間がかかり、初入荷の6日前に、「彼」は天国に旅立ちました。しかし愛犬に安全で健康によい食事を与えたいと思われる方々の輪は広まって、日々、Vプラネットの需要の高まりを感じます。
今年で25歳になる娘のアイデア、そして私の「京都には、犬と一緒に過ごせるカフェが少ない」という思いが一緒になって、就職に旅立つ前の娘がデザインを担当、CHOICEのプロデュースで、犬と一緒に過ごせる「カフェ・プラネット」を今秋、京都・鴨川デルタにオープンさせます。犬と一緒に、ほっこり過ごしていただける空間では、人間にも犬にもPBWFの食べ物を提供しています。