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法の舞台/舞台の法

日常のなかにある法律問題踊る弁護士の活動報告

弁護士/舞踏家

和田 浩 (わだ ひろし)

1977 年新潟県柏崎市生まれ。京都大学総合人間学部卒業。弁護士として、さまざまな分野の事件に取り組んでいる。なかでも、障害者の権利に関する案件に多く携わっている。他方、舞踏家として舞台活動もおこなっている。福祉、芸術、司法の連携について、あれこれ考えている。
縁(えにし)法律事務所 
京都市中京区新椹木町通二条上る角倉町215
075-746-5482

旧優生保護法による被害者とともに歩む京都の会

投稿日:

以前のコラムでご紹介したように、令和6年7月3日、最高裁判所は、旧優生保護法が憲法違反であると判断するとともに、旧優生保護法による被害者の方たちが求めた賠償請求を認容する歴史的な判決を言い渡しました。

これにより、旧優生保護法の被害者の方の法的な人権回復の道は開かれましたが、他方で、被害者の方は、さまざまな理由により、簡単に人権回復手段を利用できるとは限りません。また、障害のある方に対する差別や偏見をなくすための活動は、今後も継続してなされる必要があります。

そこで、旧優生保護法の全面解決を目指すとともに、障害者権利条約に基づいた差別のない社会の実現を目指して、9月28日、京都の9つの団体を構成団体とする「旧優生保護法による被害者とともに歩む京都の会」(以下、「歩む京都の会」)が結成されました。

構成団体のなかには、私が所属している旧優生保護法被害京都弁護団も含まれています。

結成集会

9月28日には、京都市内の会場において、結成集会が開かれました。結成集会には、多くの方にお集まりいただき、この問題に対する社会の関心の高さを実感しました。

結成集会では、各団体から決意表明がなされ、優生保護法をテーマとした映画『沈黙の50年』が上映されました。また、私は、先述の最高裁判決の内容の報告をしました。

今後の「歩む京都の会」の活動で重要になるであろう取組みの一つは、10月17日に成立し、令和7年1月17日に施行される「旧優生保護法に基づく優生手術等を受けた者等に対する補償金等の支給等に対する法律」(以下、「補償金支給法」)に基づき、補償金の請求をされる方の支援です。

一時金支給法と補償金支給法

ところで、旧優生保護法の被害者の方に対する補償に関する法律として、既に平成31年4月24日に施行された「旧優生保護法に基づく優生手術等を受けた者に対する一時金の支給等に関する法律」(以下、「一時金支給法」)が存在しています。

一時金支給法は、旧優生保護法による優生手術を受けた方に対して、320万円を支給することが定められている法律です。その意味で、一時金支給法は、被害者の方に対する一定の権利回復のための法律ではありますが、国に賠償責任があることが前提とされておらず、支給される一時金の額も、被害を受けた方に対してなされるべき補償の額として不十分です。また、被害を受けた方が亡くなっている場合に、遺族の方が一時金を受け取ることもできません。

また、一時金支給法には、旧優生保護法の規定が憲法違反であることや、国に責任があることも明記されていません。

他方、補償金支給法においては、旧優生保護法の規定が憲法違反であることや、国に賠償責任があること、さらには国会及び政府が謝罪する旨も明記されました。

また、中身について簡略化して説明すると、被害を受けた方には1500万円、その配偶者には500万円の補償金が支給され、被害を受けた方やその配偶者が亡くなっている場合には、遺族が支給を受けられることも明記されました。

私自身は、この法律の制定過程に関与したわけではありませんが、この法律の制定に向けて活動された方々に敬意を表するとともに、今後、この法律に基づき補償金の請求をされる方々を全力で支援したいと思います。

補償金の請求を考えている方や、その関係者の方がいらっしゃいましたら、いつでもご連絡ください。

- 法の舞台/舞台の法 - 2025年1月発刊 vol.208

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