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しなやかな影響力のレッスン

自分も周りも自然と良くなるために

影響力のスイッチを入れる専門家人材育成・組織開発コンサルタント

賀集 美和 (かしゅう みわ)

北海道旭川市生まれ。違いを超えて人と人が共に幸せな社会を創るには?その答えを求め日米の教育機関を経て、世界 900 店舗のレストランチェーン TGI FRIDAY'S で人材育成の道に。独立後10年の歳月をかけ、誰でも一瞬で一体感を生み出し互いを活かし合うボディヴォイス®の技術化/体系化を実現。講座や企業研修を通じ、慈しみと活力に満ちた発展的な社会を共に創り上げていく起業家や管理職などリーダーを輩出している。

感性は現実を変える力

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前月号では「感性を開く」ことで、私たちは自分のなかの答えに気づき、自分の望む人生へと一歩を踏み出せるようになるとお伝えしました。今月号では、感性を開くことに取り組み、望む人生を歩みだしている人たちの事例をご紹介します。

感性を開くと感覚が変わる

まず4歳の双子ちゃんを育てながら営業ウーマンとして働くMさんです。感性を開くことに取り組む前は、仕事から帰宅し急いで食事の用意をしているときや、副業の勉強をしているときに「ママ、ママ~」とお子さんから甘えられると、つい「イラッ」としていたそうです。甘え盛りなのも頭ではわかっている、もちろん子供たちはかわいい。でも、やらなきゃいけないことがあるときは、イラっとする気持ちを抑えられなかったそうです。ですが、2ヶ月ほど感性を開く取り組みを続けたところ、一日中ほとんどイラッとせずに過ごせるようになったとのこと。Mさん曰く「イライラしないようにしていたときの方が、ついイラッとしてましたね(笑)」「でも感性が開いたら『自分、今、本当は疲れてるんだな、休みたいんだ』って気づくんです」「そしたら不思議とイラッとしなくなりました。家事も子供の相手もしているのに。」
これは不思議な話ではありません。自分が疲れていても、感性が閉じていれば疲れを感じません。感じない=気づかないので、義務感で無理に動こうとし続けます。「やらなきゃ」「私しかやる人はいない」「休んでいる場合じゃない」など、心のなかで言い聞かせながら重い体に鞭打ち頑張っていると、孤独感やしんどさが増してくる。そんなときは誰でも些細なことが癇に障ったりするもの。一方、感性が開くと疲れを自覚できるので、少し休むとか、家事を少し手抜きする、外食や家族に手伝ってもらうなど、今まで考えもしなかった選択肢を思いつくようになります。すると「なんで自分ばかりが」という我慢によるイライラや疲れが和らいでいきます。

地方公務員をしながらご主人と10代のお子さんたちを育てるTさんは「最近、家族が家事を手伝ってくれるんです!

今までなんにもしなかったのに」と、驚き半分、嬉しさ半分の声と表情で話してくれました。それまでは「家事はすべて自分がしないといけない」と思って、どんなに体調が悪いときも手を抜けず、かつ誰も手伝ってくれないので「なんで自分ばかり」と内心は不満でいっぱいなときが多かったそう。ところが、自分で感性を開くことに取り組み始めて1ヶ月。「疲れているときは外食したいとか、家族にも手伝ってと言えて。すると意外とやってくれるんですね」「毎日が楽しくなってきました。仕事に行くのも前より気が楽で、感性が開くってすごいですね。これからが楽しみです!」と語るTさんの表情が別人のようでした。

真の望みに気づくとよくなる

MさんもTさんも、自分で自分の感性を開くことに取り組みました。その結果、感性というアンテナを使えるようになり、今まであったのに気づいていなかった事実に気づくようになりました。たとえば「疲れている」自分の状態に気づいたり、「本当は休みたい」という真の望みに気づくことで、感じ方や家族との関わり方、行動が変わりましたね。やり方の選択肢も増えました。「自分しかやる人がいない、自分でやるしかない」という孤軍奮闘から、「他の人にもやってもらう」という他者との協力へ。「やらなきゃ」「やるしかない」という義務感による行動から、「こうしたい」という真の望みによる行動へ。これらは、考え方や感じ方を無理に変えた結果ではありません。自分のアンテナである感性を呼び覚ましたことによって、実はずっとあった事実に気づくことができたから、行動が変わった。人生全般がよくなったというケースです。感性は現実を変える力なのです。

- しなやかな影響力のレッスン - 2020年11月発刊 vol.158

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