4月は自分を取り巻く環境が変わり、新たな出会いを経験する方が多いでしょう。また、もっと成長したいと思い転職したり、どこかのコミュニティや活動団体に参加したり、自分から新しい環境に飛び込む人もいると思います。新たな出会いや人間関係は楽しみな面もありますが、「うまくやっていけるかな」「気が合うかな?」と不安もチラチラ顔をのぞかせがちです。
違和感センサー
十年前、私はある勉強会に飛び込んでみたのですが、しっくりこず居心地の悪さを感じた経験があります。ほかのコミュニティでは最初から違和感を感じていたのに、「少しは我慢しないと」と自分に言い聞かせ、三年間も所属し続けたこともあります。
そんな経験を繰り返すうちに、私は「なかなか合う仲間はいない」と思い込むようになり、新しい環境に身を置くことに躊躇するようになってしまいました。その時期の私は人に対する違和感も感じないけれど、異なる人との関わりが少なく成長速度が著しく落ちていました。不快感もないけれど、新鮮さや楽しさも減る。マンネリと停滞感。これは予想外の痛い代償でした。
このように、「自分らしさ」や「ありたい姿」を大切にしている人、また「人間関係に安心感や心地よさ」を求める人にとって、相手を受け入れ、相手からも受け入れられるかどうか、という点はとても気になるものです。その人にとって大切なことだからこそ、そこに対する自信がもてないと新しい環境へ飛び込むことに消極的になるし、そこがクリアできたらもっと人付き合いが楽になり、新しい出会いに積極的になれます。ともに切磋琢磨しあえる仲間が増えて、毎日が楽しく充実します。人間関係のちょっとくらいのかすり傷も平気になったりします。
私自身、違和感センサーが敏感でいろいろ気になりやすかったころは、人が好きなのに人との関わりが厄介でした。それは、自分が人間関係をとても大切にしているからこそだと受け入れたときから、自分との接し方が変わりました。すると違和感センサーが「ビービー」鳴らなくなり、いろんなタイプの人との関わりを面白がれるようになったのです。さらに、価値観や方向性が合う仲間にも出会うようになりました。
一時停止してから出発進行
どう変わったのか? 「一時停止してから発車」するようになりました。具体的にいうと3つポイントがあります。一つ目は「迷ったらストップ」です。あなたの違和感センサーが鳴ったときは、「なにか違うかも」「どうしようかなぁ」と躊躇しているはずです。そのときに、「まぁいいか」とその場のノリで違和感を一蹴しがちですが、まずちょっと立ち止まります。そして、目を閉じてふーっとひと呼吸。自分の身体の感覚に意識を向けてみましょう。
二つ目は「隠れた狙いを言葉にする」です。自分にもコミュニティや集団にも大切にしていることや、目指している姿があります。それは日頃、明確には語られていないかもしれませんが必ずあります。心と呼吸を落ち着け、少し離れたところから、感性というアンテナを立ててみると感じとれます。たとえば、あなたは心が通じる関係を求めていて、そこのコミュニティは気楽な付き合いを楽しみたい人の集まりならば噛み合いませんね。このように言葉にしてみると、はっきり違いがわかるので相性不一致という事故は避けやすくなります。
最後は「4つのS」です。互いの狙いが違うと気づいた場合、私は「さっぱり、さっと、さわやかに去る」ことにしています。笑顔でさりげなく「今日はお先に失礼します」といった具合です。この3つのポイントを押さえるだけで人との関わりが楽になります。そして、世界が広がり、自分とまわりに笑顔が増えていきますよ。