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きのくに子どもの村通信より

【Vol.35】ニイルのことば(3) 学園長 堀 真一郎

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きのくに子どもの村通信より

学校法人きのくに子どもの村学園
かつやま子どもの村小・中学校
かつやま子どもの村小・中学校の教育目標は「自由な子ども」です。生き生きとし、好奇心旺盛で、集団生活に必要なマナーを身につけている子どもです。

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問題の子どもとは困った子どもというのは、実は不幸な子どもである。彼は内心において自分とたたかっている。その結果として、まわりの世界とたたかうのだ。(A.S.ニイル『問題の子ども』1926)

何度いってもなおらない
 困った子どもというのは、盗む、うそをつく、ものを壊す、癇癪を起す、いじめるなどの行動が続く子のことだ。こういう問題行動はなかなか治らない。いって聞かせても、痛い目にあわせても効果はない。ほとほと手を焼いて大人は叫ぶ。

 「何べんいったらわかるの!いい加減にしなさいッ!」

 しかし、何べんいっても治らないものは、いっても無駄なのだ。「どうしてお前は…!」と叱られたK君が答えた。

 「オレにいわれても、オレにもわからん。オレのこころにきいてくれ。」

子どもは無意識的な存在
 見事な答えである。そのとおりだ。困った行動の続く子は、実は本人も困っているのだから。お説教や罰は、かえって問題を大きくしたり、新たな問題を付け加えたりしかねない。ニイルが戒めているのは、子どもの首から上にはたらきかけるのではなく、「こころ」にはたらきかけよということだ。

 ニイルは、問題の子の心理を精神分析の理論から理解し、人々の意表をつく大胆な対応をした。フロイトが発見したのは、第一に人間の無意識は常識をはるかに超えた大きな力を持っていることだ。われわれの思想も行動もその影響を受けている。もう一つは、無意識は二つ、つまり本能(生命力)と超自我からなっていることである。

お説教や罰は逆効果
 超自我は、親社会のきびしいしつけが内面化されてできたもので、無意識の中で本能を抑制している。しかし、本能の力は強いのでしばしば葛藤を起こす。この葛藤がうまく処理されないと、意識では制御できない行動が生じる。あるいは未解決のままにさらに奥深くに沈み込む。これがコンプレックスだ(劣等感だけがコンプレックスではない)。

 お説教や罰は、この心の深層の問題を解きほぐすのにはほとんど役に立たない。むしろ行動を悪化させる。子ども本人も気づいていない内面の問題を解決するには、別の方法が必要である。

盗みをはたらく子にごほうびを

不幸な子を罰するな
 子どもが内心に抱えている問題は一様ではない。力への欲求(大きく強くなりたい)が抑圧されている。愛されていない。自然な性への興味を禁止されている。怖い人のイメージにおびえている、等々。そして多くは罪の意識と自己否定感に苦しんでいる。問題の子どもは、かわいそうな子なのだ。

 そんな子を罰してはならない。ニイルは先ず、「君は今のままでいいよ」「私は(学校は)あなたの味方だよ」というメッセージを送る。荒れている少女と共にガラスを破り、盗みをはたらいた子に小遣いをあげるのはその好例である。

校長先生がニワトリ泥棒
 時にはニイルじしんが盗みに加担したこともある。ボブという少年はカトリックの家の子で、父親の影におびえていた。父親は、強くて正しくて大きな存在である。一方の彼は、弱くて罪深くてちっぽけな存在にすぎない。いつも「また罪を犯すのでは」とびくびくしている。彼が盗みをはたらくのは、罪を告白して懺悔すれば、つかの間の平安が得られるからであった。

 盗みの治療よりも大切なもの、それは彼の心を父親や権威者への恐怖から解放することだ。校長のニイルが真夜中に一緒に隣のニワトリを盗みに入ったのは、そのためである。

超自我の破壊と再形成
 フロイトは本能には「死の本能」もあるので、自我を強化して本能をコントロールすべしと説いた。ニイルは「死の本能」を否定する。むしろ親、教師、社会などから押しつけられ、子どもを苦しめている超自我を除去して、新しく自分自身の超自我の形成の援助をしようと考えた。この超自我の破壊と再形成の実験の場こそ、自由学校のサマーヒルである

 

- きのくに子どもの村通信より - 2010年7月発刊 Vol.35

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