前回、自分が無意識に「こうあるべき」と決めている「マイルール」の連鎖を抜け出す方法として、インナーチャイルドとの対話を紹介しました。自分の心に意識を向けるだけでも、緊張が少し緩みます。心が緩むと体が緩んで、血流が良くなって病気が減ります。良いことばかりで何一つ損をすることがないので、ぜひ実践してみてください。今回は、「もっと手っ取り早くなんとかしたい!」とか「今までいろんなヒーリングや癒しを実践してきたけど、今ひとつすっきりしない」という方に、荒療治ではありますがおすすめの方法を紹介します。
80%できたらOKにする
今回紹介するのと似た方法を、2018年2月の本稿「きちんとしない練習」という記事に書きました。その方法を簡単におさらいすると、家事、育児、仕事など、「きちんとしないといけない」という心の声にさからって、どんなことでも80%できたらOKにするというものです。80%できたら「よくやったね」と自分を褒めましょう。体調が悪いときや気分が乗らないときは、30%や40%でOKにします。そのときに出てくる罪悪感は、自分のお母さんとの関係が原因かもしれません。そのような内容でした。
マイルールの真逆
今回紹介するのは、マイルールの真逆をやってみるという方法です。マイルールを80%にするだけでも心がザワザワすると思いますが、今回はもっと大きなチャレンジをしてみましょう。まず、80%を0%にする。「きちんとしないといけない」というマイルールであれば、具体的には「やるべきことをしない」とか「病気だから休む」になると思います。さらに、真逆をする。つまり、マイナス100%を目指します。具体的には、「わざとさぼる」「ぐうたらになる」「やらなければいけないことをせずに、遊ぶ」など。「きちんとしないといけない」というマイルールを強く握りしめている人は、「そんなことしたら大変なことになる」「そんな最低(最悪)なことできない」「絶対ありえない!」といった言葉が湧いてくると思います。
真逆をする意味を、模式図を使って説明します。「きちんとしないといけない」という立ち位置を[プラス100]とします。その人に見えているのは、きちんとするのが当たり前の世界です。Aの領域しか見えていません。真逆をするというのは、[マイナス100]の世界を体験することです。それまで見えていなかったBの領域が視界に入ってきます。
両方を体験することで、AとBの世界が統合され、それまで意識できなかった世界があることに気づきます。世界が倍に広がったとも言えるでしょう。そうなって初めて、自分はどの立ち位置が心地よいのか選択できるようになります。真逆をやってみるというと、「ずっとマイナス100を選ばないといけない」と受け取ってしまう人がいますが、一度真逆を経験すれば、マイルールから自由になれます。自分の立ち位置は、その都度自分で決めて良いのです。「今日は調子が良いからプラス100でいこう!」「風邪気味だからプラス10くらいで早く寝よう」「女子会の誘いがあったから、マイナス50で今日は楽しもう!」など。自分の生き方にはなんの制約もなく、自分で自由に選択してもよいということに気づけるはずです。