自分のための人生を生きていないと、イライラしたり、不安になったり、感情が揺れ動いて、不安定になります。たとえその原因がマイルールにあると知っても、長年慣れ親しみ、自分を守ってくれていたルールを手放すなんて、怖くてできません。マイルールが許容する範囲が安全地帯です。
幼いころ、母親が「そっちに行ったらあぶないよ」と言うことで、安全と危険のラインができます。「そんなことしたらだめだよ」と言うことで善悪のラインができます。ここまでは○、この先は×。日常のさまざまなことに対して母親が○×をつけることで、子どものマイルールが出来上がっていきます。ルールを守っているとお母さんが怒らない、褒めてくれる。子どもは母親に認められようとして、母親のルールをマイルールとしてしっかりもち続けるようになります。
できなかった反抗をする
反抗期は、試練の時期です。一人で生きていくための力をつける大事な期間です。自分らしさ、自分の人生を考え始めます。そのためには、それまで自分を守ってくれていたマイルールを壊す必要があります。
「マイルール」イコール「お母さん」です。お母さんがいつも幸せそうにしていたら、子どもも遠慮なく反抗できます。でも、自分の反抗のせいで、母親が不幸になってしまうかも? と思うと、思う存分反抗することができなくなります。大人になっても、お母さんの教えをずっと守り続けることになります。
今の生き方が苦しいと感じるなら、今からでも反抗期をしましょう。実在の母親に文句を言う必要はありません。自分のなかに居座っている、心象の母親を退治しましょう。心から思えなくても「お母さん大嫌い」「クソババア」と言ってみてください。車の中、お風呂、誰もいない部屋、押入れなど、一人になれる環境で、誰にも聞かれないように、この言葉を繰り返し口に出して言ってみましょう。昔我慢した思い出が少しずつ蘇ってきます。「あのとき、友人たちと遊びたかったけど、お母さんが機嫌が悪くなるから断ったんだよね」「どうしても欲しい物があったけど、愚痴や嫌味を言われそうで我慢したよ」「あの人とお付き合いしたかったけど、お母さんに文句を言われたくなくて諦めたんだよ」「本当はいいなあと思っていた進路(就職先)があったけど、お母さんが喜ぶほうを選んだんだよ」等々。
今までずーっと我慢していた思いが「大嫌い」「クソババア」という言葉をきっかけに、せきを切ったように溢れ出すかもしれません。この際、涙も鼻水も我慢せずに一緒に出し切ってしまいましょう。
本音を解放すると見えるもの
親のルールを守っていて幸せになるのは、その親だけです。本音つまり「本当はこんな自分でありたい」という魂の声は、一人として同じではありません。一卵性のふたごでも、その方向は微妙に違っています。まして親子では、全然違ってあたりまえです。
それなのに親の期待に応えよう、親の機嫌を損なわないようにしよう、親を悲しませないようにしようとし続ければ、苦しくなって当然です。自分の魂の声を封印し続けることになるのですから‼︎
心象の母親に対して溢れ出てきた思いが、反抗期に我慢してきた「本音」です。こんなこと言ったら、お母さんがかわいそう。本当のことを伝えたら、お母さんが壊れてしまいそう。そういった遠慮があったために、本音を出すことができず、反抗期を成就できなかったのです。
何歳でも遅くはありません。今からでも自分の本音を表現しましょう。それこそがやりたかったことであり、求めていた幸せであり、この人生の目的なのです。