心の声を耳を澄まして聞くと、ストレスを減らすことができる
注意深く自分の思考を見つめていると、批判、執着、不満、欲で頭がいっぱいになっていることがあります。そういう思考はイライラ、不安、心配、焦り、嫉妬などの感情を引き連れて来ます。いい気分ではありません。
そしてこの思考は、頭(マインド)からやってきます。頭が考える基準は、基本的には「損か得か(欲)」です。「損したくない!! ちょっとでも得するためには?」と、「あ~でもない、こ~でもない、さあどうしよう」という思考で頭がいっぱいになるのです。一方、頭の声とはすこし違う感覚で、心の声(ハート)というものがあります。ハートの声はとても小さい声です。
マインドは言葉で考えるのが仕事です。大きな声で聞こえます。一方、ハートは感じることが仕事です。声なき声で「いい感じ、悪い感じ」を感じています。ハートの声はほとんどの場合、マインドの声にかき消されてしまいます。
ハートの声は子どもの頃の無邪気なままの自分です。元気いっぱいの子どもの行動を見ていると、「このオモチャ欲しい」「あの子嫌い」「もっとしたい」と大人から見るととてもわがままに感じます。でも子ども自身はとてもイキイキとしています。私達は大人になるに連れて、こういった自分の「~したい」や「好き嫌い」を押し殺して、周りの空気を読んで、打算や計算をして、損得(マインド)を基準に行動する様になってしまいました。ただ、この押し殺された「~したい」や「好き嫌い」が気づかないうちに、心の底に溜まっていって、大きなストレスになるのです。
マインドはハートの「~したい」を巧妙に隠してしまいます。「~したい」と思った直後、「イヤイヤ、そんなことしたら……」と世間体、常識、マナー、モラル、損得を理由に「~したい」をなかったコトにしてしまったり、偽物の「~したい」に変換してしまうこともあります。常識的でマナーに反しないことで、損をしないことに変換してしまうのです。
心の声をかき消してしまうマインドの声には、恐れがあります。そんなことしたら、嫌われるかもしれない。そんなこと言ったら、一人ぼっちになるかもしれない。無視されるかもしれない。叩かれるかもしれない。etc
その恐れは子どもの頃にプログラムされた思いなので、大人になった今は、もう必要のないものがほとんどです。恐れを乗り越える勇気を持って、子どもの頃のイキイキとした気持ちを取り戻しましょう。自分の「~したい」に正直になる勇気を持ちましょう。
注意
急に「~したい」をやってみると言っても、お酒いっぱい飲みたい、ギャンブルしたい、美味しいものが食べたい、などは偽物の「~したい」が紛れているかもしれません。見分けるには、やったあとハッピーになるか?トキメクかどうかで見極めるしかありません。何度かやってみて、反省したり、後悔するようなことは本当の「~したい」ではありません。
逆にあまり人に褒められるようなことではなくても、後悔も反省もなく、やればやるほどハッピーになり、トキメクことなら、ドンドンやりましょう。
山内昌樹
医師 山内昌樹氏 平成19年まで一般小児科医として診療を行うかたわら、統合医療を志しYHC矢山クリニックで小児科を担当。平成22年12月佐賀市内に『統合医療やまのうち小児科・内科』を開院。 医師となってから、重病の患者さんが劇的な回復をすることや子どもの生命力の素晴らしさなどを経験するも、個人差を考慮しない画一的な治療、ステロイド薬や免疫抑制剤の副作用など、西洋医学の限界を感じる。 漢方薬や代替療法と西洋医学を融合して治療を行うYHC矢山クリニックで小児科を担当、病気の真の原因を学び、実際の診療で効果が見られることを経験。 |