サトウキビの魅力を丸ごと発信できる事業に成長することを目標に、様々の新商品開発を進める中、1月号ではご家庭で黒糖作りが体験できる『おうちで黒糖チャレンジ』、2月号ではキビ砂糖を使ったお干菓子『サトウキビの香り』をご紹介しました。続々、今月号では、『搾りたて! サトウキビのフレッシュジュース』の商品開発の状況をご紹介します(^^)
サトウキビを1本ずつ手刈り収穫する際、品質チェック*の度に、時々に端っこをガジガジかじります。じわぁ〜っと甘い汁がにじみ出てきて、旨いです。作業中の栄養・水分補給にも最適じゃないかと思っています。*台風などで損傷を受けて腐った箇所を製品に混入しないよう品質チェックします。
次第に「かじるだけじゃなくって、しっかり飲みたい!」という欲求が強くなって、手回し式の圧搾機を地元の先輩からお借りして、作業終わりや休憩時にガシガシと搾るようになりました。畑で収穫したて・搾りたてのサトウキビジュースは、やっぱり旨い! 作業の疲れを流し取ってくれるようで、ついついがぶ飲みしてしまいます。 いつも畑作業を手伝ってくれる東京出身の成さん(せいさん)がとっても喜んでくれる。確かに、宮古島に来る以前の自分に当てはめてみても、「普通、サトウキビのジュースなんて、飲んだことない筈。美味しいんだよなぁ……。このまま商品化してみたいな」と思って、試作・開発を始めました。
「畑で飲んでうまい!」ことが原点なので、ややこしいことをするつもりはなく、製造工程はシンプル。
- 1.収穫したサトウキビの先端の甘くない部分(梢頭部)や葉っぱを取って、外的に土に触っていない茎の部分だけを原料として工場に搬入する。
- 2.洗浄・殺菌したサトウキビの茎を圧搾機(ここでは勿論、手回しではなく電動です(笑))を通してジュースを取る。
- 3.取ったジュースを加熱殺菌・ろ過してパックに詰める。
- 4.パック詰めが終わった製品を再度加熱殺菌処理して、製品完成。以上が基本的な工程です。
しかし、試作を始めてから、一筋縄ではいかない様子がわかってきました。
サトウキビの搾汁液は発酵し易く、常温で保存可能な飲料となるように扱うことが、なかなか難しい。最初の頃は、残留した菌による発酵が進んで、試作したジュースの袋が数日後にはパンパンに膨れて、破裂するというサトウキビ爆破事件もおこりました(汗)。サトウキビの洗浄の仕方、pH(酸性度)と加熱殺菌条件の改良などを繰り返して、常温で保存できる製造条件を見つけ出しました。
一貫してこだわったポイントは、搾りたてのサトウキビジュースのフレッシュ感を残すこと。サトウキビのジュース(搾汁液)は茎の中に蓄えた豊富なミネラルを含んだ、素材の美味しさを丸ごと含んだ天然のジュースです。お砂糖の原料になる作物だけど、上白糖をお水に溶かした砂糖水とは、味も旨みも栄養分もまったく違うんです。黒糖を使って作る冷やしあめともまた、まったく違います。
独りよがりにならないように、試作段階で多くの方に試飲評価をいただきました。そうして集まった意見を参考にシークワーサ果汁を加えてみると、確かに爽快感が加わって一層美味しくなりました。「畑で飲んでうまい!」原点からステップアップ(^^)
現在は昨年製造の試作品を継続して検査中で、爆発せずに眠っています(笑)。ご案内まで楽しみにお待ちください。
松本克也 プレマ宮古島プロジェクトリーダー(兼農業生産法人(株)オルタナティブファーム宮古代表取締役) 2012年4月まで自動車会社に勤務。車体製造の接合技術開発に心血を注ぎ、エンジニア一筋の人生を送る。2011年12月にもともとプレマファンだった姉から「プレマ・宮古島プロジェクトの発足とスタッフ募集」のメルマガ情報を聞いて『これだ!』と直感し、転職を決意。そこからはとんとん拍子に事が進み、家族で宮古島に移住。今ではすっかり都人(実は京都出身)ならぬ宮古人になりました。 オルタナティブファーム宮古のfaceBookページはこちら>> |
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