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中川信男の多事争論

「多事争論」とは……福沢諭吉の言葉。 多数に飲み込まれない少数意見の存在が、 自由に生きるための唯一の道であることを示す

プレマ株式会社 代表取締役
ジェラティエーレ

中川信男 (なかがわ のぶお)

京都市生まれ。
文書で確認できる限り400年以上続く家系の長男。
20代は山や武道、インドや東南アジア諸国で修行。
3人の介護、5人の子育てを通じ東西の自然療法に親しむも、最新科学と医学の進化も否定せず、太古の叡智と近現代の知見、技術革新のバランスの取れた融合を目指す。1999年プレマ事務所設立、現プレマ株式会社代表取締役。保守的に見えて新しいもの好きな「ずぶずぶの京都人」。

【Vol.68】しあわせのものさし

投稿日:

 ご記憶のかたも多いと思いますが、東日本大震災後の11月、ブータンのジグメ・ケサル・ナムゲル・ワンチュク国王とジェツン・ペマ王妃が福島県相馬市を訪問されました。直前に結婚された両陛下は、新婚旅行の場所に地震直後の日本、そしてあえて福島を選ばれ、被災者を励まし、津波で命を奪われた人たちに祈りを捧げに来られたのです。海外の元首はもちろん、日本国民でさえ足を運ぶことを躊躇していた原発事故影響のある地域に、「それでもなお」の心境で赴かれた両陛下の行動と暖かいお言葉は、多くの被災者を強く励ましました。その舞台となっていた福島県、そして相馬市には震災以降私も頻繁に足を運ぶようになっていましたが、今年春以降の福島訪問の目的は、以前とはかなり変わって来ることになりました。ほかでもない、ブータン王国と被災地を繋ぐプロジェクトが動き出したからなのです。

1通のメール
 昨年の年末、ある方から1通のメールが飛び込みました。最初は「幸せの国・ブータン王国は日本に無農薬農産物を輸出することで、両国の農業と経済関係を強くして人的交流の活発化を望んでいる。その調査のなか、最適なパートナーとしてプレマさんの名前があがってきたので話し合いのうえ、ぜひ一緒にやりませんか ? 」というお話でした。この話には紆余曲折があり、ほとんど農産物輸出の実績のないブータンの農産物に関する国際貿易上必要な情報は圧倒的に不足しており、現時点でもまだそれらの問題は解決していません。仕事、特に貿易の話は正確かつ充分である必要がありますので、先進国と感覚の隔たりのある途上国とのやりとりはこのように難航するものです。ましてや調査とか交渉ばかりではなかなか採算があってきません。「これは先方の感覚に合わせて、ゆっくりじっくり取り組む必要があるな」と思っていたところに、別の話が浮上しました。というのは、ブータン国王のご趣味は写真撮影であり、国民の暮らしを国王自身がカメラで切り取っているというのです。それらの写真はインドで写真集として出版され、好評を博しているということで、国王から日本でも写真集を発刊できないか、という打診があったと聞きました。残念なことに日本では写真集は近年ほとんど売れないという事情もあり、これもまた迷宮入りしてゆきます。「それならば各地で写真展を開催したらどうか」ということで、当初はデパートの催しとしての写真展の話がすすみました。しかしこれもまた、「趣旨はとっても面白いが、販売出来る物産や輸入品が極めて 少ないブータンのこと、物販と平行して採算を合わせてゆくことが難しい」という販売現場の反対もあって、かなり話が進んだあとでまた断念、と行ったり来たりを繰り返していました。このままでは、両陛下の福島訪問、さらに国会でのワンチュク国王による、日本国民の魂を揺さぶる素晴らしい演説(ぜひ、インターネットで「ブータン国王 国会演説」で検索して、動画で15分間の演説すべてをご覧いただくことをおすすめします)、国王自身による多額の被災地支援の義援金提供などに感謝をお返しすることすら難しい状態になりつつありました。

価値のものさし
 ここまでの諸問題で、常に原因になっていたのが「お金」という価値の軸です。今は相当に世界的なランキングからは脱落しつつある日本であるとはいえ、まだ経済的、物質的豊かさを享受している国と、下から数えて片手に入る経済的な貧しさがあが赤字を垂れ流すようでは、やはり息の長い取り組みにはなり得ませんから、何か違うものさしを使わなければなりません。

 国王の日本国国会でのお言葉を借ります。『…このグローバル化した世界において、日本は技術と確信の力、勤勉さと責任、強固な伝統的価値における模範であり、これまで以上にリーダーにふさわしいのです。世界は常に日本のことを大変な名誉と誇り、そして規律を重んじる国民、歴史に裏打ちされた誇り高き伝統を持つ国民、不屈の精神、断固たる決意、そして秀でることへ願望を持って何事にも取り組む国民。知行合一、兄弟愛や友人との揺るぎない強さと気丈さを併せ持つ国民であると認識してまいりました。これは神話ではなく現実であると謹んで申しあげたいと思います。それは近年の不幸な経済不況や、3月の自然災害への皆様の対応にも示されています。』 私たち日本人は、ブータンからもったいないほど高い評価をされていて、数々のすぐれた価値のものさしを持っているのですよ、と改めて教えられているようです。私たちの写真展プロジェクトもまたそのようでありたいと原点に戻りました。被災地では皆さんに無料で見ていただけるよう、会場も無償でお貸し下さいとお願いをし、運営者もすべて手弁当、必要な人手は無償ボランティアでと地元にお願いをしています。先の震災の被災地では、この「お金ではない」という感覚をあっという間にご理解いただくことができ、11月上旬、福島県相馬市での開催が仮決定となりました。引き続きブータンと日本を繋ぐプロジェクトを運営し、お客様にご協力のお願いもしていくことになりそうです。ぜひ、今後もご注目下さい。

- 中川信男の多事争論 - 2013年5月発刊 Vol.68

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