日本の伝統食品であるみそ(味噌)のパッケージに、「みそ」と表示していたら、保健所が飛んできて、「日本国はそんなことは許さない、今すぐ、みそという表示をやめろ、さもないと会社の名前を悪徳業者として世間に晒して、課徴金(罰金)を課してやる」と脅しにかかる……。こんなことが、普通に起きていることをご存じでしょうか。長くなりますが、自然食屋と、そのお客様にとっては重要な出来事ですので、当時の地元紙の報道をそのまま転載させていただきます。
大豆含まぬ製品「使用不可」
「麦みそ」表示 継続ピンチに 県が変更要請、宇和島の業者困惑
井伊商店の商品に対し県は「麦みそ」の表示ができないと指摘した
愛媛の食卓でなじみ深い伝統食材の「麦みそ」について、県が一部の製造業者に対し「麦みそ」の表示を変更するよう求めていることが29日までに分かった。原材料に大豆を含まない製品は法の規定で「麦みそ」と表示できないことが理由。長年麦みそを造り続けてきた製造業者からは困惑の声が上がり、表示を続けられるよう県に要望書を出すなどして働きかけている。
「当店の麦味噌が『味噌』と名乗れなくなりそうです」―。宇和島市鶴島町の老舗みそ店「井伊商店」の3代目、井伊友博さん(41)が26日、ツイッターで窮状を訴えた。
井伊さんによると、8月下旬に宇和島保健所の職員が店を訪れ「原材料に大豆を含まない麦みそは、麦みそと表示できない」などと指摘。11月11日までに改善報告書を提出するよう求められた。
指導した同保健所や県南予地方局によると、食品表示法に基づく基準では麦みその原料として大麦や裸麦のほかに大豆を記載している。今回、大豆を含まない麦みそについて、包装の裏などにある一括表示の名称に麦みそと表記できないと指摘。加えて景品表示法違反の「優良誤認」にも当たるとしてパッケージにも麦みその文言は使えないと伝えた。
基準自体は以前からあったが、同保健所が年間の実施計画に基づいて7月下旬に実施した収去検査の過程で法令違反が分かった。同保健所は、井伊商店を含む計5事業者を同様の内容で指導し、適正表示を求め改善計画書を出すよう指示している。
井伊さんは、同様の指示を受けた他の2事業者と連名で「『宇和島麦みそ』文化の存続」と題した要望書を25日付で県へ郵送した。「『味噌』と名乗れなくなることは、伝統製法の消滅とお客様の混乱を招く」として、今後も「みそ」の表示が続けられるよう求めている。
(2022年10月30日付記事:愛媛新聞オンラインから引用)
その後、インターネットを中心にこの指導に関して疑問の声が広がり、いったん指導は取り下げられたようですが、執筆日現在では完全撤回には至っていない様子で、まだ各省庁が「協議する」との報道が最後になっています。行政による規制とはこういうもので、伝統も文化も一切無視して、悪意の業者も良心に基づく業者も一緒くたにして権力を振りかざし「消費者保護」というお題目で処罰を科します。とくに、私たちのような伝統食や自然食を目指す会社に対する風当たりは相当なもので、私たちも幾度となく同様のことでいじめ抜かれ、耐え忍んできました。直近では、ジェラートの素材に「カカオ粉末」を用いていたところ、「ココア粉末」と表示していないということで処分を受けたり、ヴィーガンマークが記載されている乳不使用のチョコレートを用いて、一切の乳製品を素材として使っていないため原材料欄に乳と表示しなかったところ、指導を受けたりしました。実にあたりまえに、このような理解不能な処分や指導がおこなわれ、反論は許されず甘んじて受けるほかないというのが実情です。基本的な行政の立ち位置は「消費者は善、事業者は悪」という前提になっているようで、まじめに仕事をすればするほど、苦しい思いをするという構造になっています。先のみその指導では、保健所の職員が指導に際し「一粒でも原材料に大豆を入れたら見逃してやる」という趣旨の発言をしたようですが、これでは大豆が食べられない方の選択肢を奪い取り、地域の文化や伝統製法も全否定することになるので、製造者は毅然と拒否したとのこと。ここまでくると、いったい、誰のための法律や規制なのかすらも見いだせず、零細企業潰しによる大手の寡占化や、指導する側の優越感を充足するため、もしくはアリバイとしての仕事のための仕事づくりにしか見えません。
中川信男の多事争論
「多事争論」とは……福沢諭吉の言葉。 多数に飲み込まれない少数意見の存在が、 自由に生きるための唯一の道であることを示す
プレマ株式会社 代表取締役
ジェラティエーレ
京都市生まれ。
文書で確認できる限り400年以上続く家系の長男。
20代は山や武道、インドや東南アジア諸国で修行。
3人の介護、5人の子育てを通じ東西の自然療法に親しむも、最新科学と医学の進化も否定せず、太古の叡智と近現代の知見、技術革新のバランスの取れた融合を目指す。1999年プレマ事務所設立、現プレマ株式会社代表取締役。保守的に見えて新しいもの好きな「ずぶずぶの京都人」。
それはいったい誰のため?
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ただ、お料理に入れるだけで激変
最近、「私はプレマファンです!」とおっしゃるお客様とお会いして、「どんな品がお好きですか?」とお伺いすると、かなりの確率で名前があがるのがこの品。ただ、だしとしてお料理に使うだけで、グッとおいしくなるのは当たり前なのですが、なにより「あれが良くなった、これがよくなった」と健康・美容上の変化をたくさん、熱っぽくお話しいただくのです。私があれこれいわなくても、ちゃんと理解してご利用いただけているのがなにより嬉しく、とくにこの冬は注射に頼るより、まず身体にしっかり吸収されるペプチドを日々のお料理にお使いください。