「けいと、ダメでしょう」と、大きな声を出してしまいました。息子がいうところの“こわいおかあさん”です。寝不足が続き疲れ気味だった私は、生後4ヶ月の次男坊をあやしているときに、寝る支度をしていたはずの長男がやんちゃをしはじめて、つい感情的に怒ってしまったのです。「おかあさん、こわい~」といいながら、長男は泣いてお布団に入っていきました。「あー、やってしまった……」と、お兄ちゃんとはいえまだ2歳の息子の涙に落ち込んでしまいました。
お布団に入った長男に、「さっきは大きな声をだしてごめんね」というと、「おかあさん、トントンして」といってきました。次男坊を寝かしつけて背中をトントンをしていると、「けいと、おかあさんだいすき」と、ぽつり。私が「でも、怖いお母さんは嫌いでしょう?」と聞くと「こわいおかあさんも、だいすき」といって、私の胸に顔をうずめて“ぎゅっ”としてきたのです。そういえば、長男から「おかあさん、きらい」という言葉を今まで聞いたことがありません。私がどんな状態の時も、常に「おかあさん、だいすき」なのです。
子育てをするうえで「ダメといわない」とか「感情にまかせて怒鳴らない」とかを思っていましたが、息子が2人になってからというもの、ついつい……。ということが増えてきていました。母親だからといって、急に立派な聖人になるわけではなく、やっぱりまだまだ未熟なひとりの人間なのです。そのために、何か起こるとあれこれ思い悩んだり、泣いてしまったり、怒ってしまったりと感情が表にでることもあります。しかし、子どもは、そんな母親も全部受け入れて“だいすき”といってくれるのです。一つのことで右往左往してしまう私よりも、ずっと大人です。
年が明け来月には3歳になる長男。いつまで「おかあさん、だいすき」といってくれるだろうかと思うのですが、その想いに甘えず今年も母親として人として成長してゆけるように、日々過ごすことが目標です。息子の瞳に、“こわいおかあさん”ではなく、笑顔あふれるお母さんを映せれば、最高です。
皆様にとりましても、よい年となりますこと祈念しております。