※福島訪問記の続きです
今回、福島へいくと決まってから、「子どもさんを連れいって大丈夫?」と、聞かれました。それはそのはずです。ニュースは「お米で500ベクレル超がでた」「汚染された石が学校に使われた」などがあふれ、インターネットでの情報は、でもとのわからない危険なものがかけめぐり、母親ならば誰もが不安に押し殺されてしまいそうになります。『不安は拡散しやすく、希望は見いだし難し』と夫はよくいいますが、まさしくその状況です。
しかし、わたしに不安はありませんでした。それは、しっかりとした情報源が身近にあったからです。実際に福島へ何度も行っている夫と、支援のために数ヶ月にわたって福島にいた末武です。二人は、福島の方と一緒に動きその中で多くの現実を目の当たりにしてきました。おそらく、外から入ったとはいえ、一緒に笑い泣いて過ごした時間があったからこそ伝えられたことを、わたしは受け取ることができたと思っています。
この度ガイガーカウンターをもって歩いていましても、「福島すべてが汚染されている」というような報道とはまったく違い、京都と変わらない放射線量のところも多くありましたし、生活している空間は想像よりもずっと低い線量でした。これには、夫も驚いていました。確実に変わってきているのです。どうしてこんなよろこばしいことが報道されないのでしょうか。”悲惨である”という状況を伝えることだけが、報道なのでしょうか。
もちろん、場所によっては深刻な数値をしめすところ、高い数値をだす作物があることも事実です。しかし、それらがわかるのも、測定をしたからこそです。遠くからどんなにえらそうに論評をしても、「不安」以外の何がはじまるのでしょうか。
今の福島のありのままのことを理解し、そしてわかちあうことができるようになることを、心から願いました。もちろん、わが家の息子二人はとても元気で体調を崩すことは一切ありませんでした。ただひとつあげるとすれば、行く先々でとてもかわいがられすぎ、少々おやつの食べすぎになっているということです。やはり息子にも刻み込まれたはずです。”福島はおいしい♪”と。