先日4歳になった長男ですが、まだひらがなをすべて読むことができません。”4歳になったし、そろそろ全部ひらがなを読めてもいいのに……”と、この1年幼稚園でひらがなを教えてもらっていたにもかかわらず、まだすべて読めないことを残念に思っていました。
そんな長男なのですが、毎晩読む絵本は大好きです。「きょうは、3さつね」と、その日に読む冊数を自分で決めて、寝る前になるといそいそと本棚から選んで枕元に用意をします。最近は、次男も好きな絵本ができたようで、長男と一緒になってゴソゴソと絵本を選ぶようになりました。
「字が読めるようになれば、自分でもっとたくさんの絵本が読めるようになって楽しいよ」と、このところ長男にいっていましたが、無理に教え込むことは、していませんでした。そんな長男が近ごろ次男に絵本を読むようになりました。わたしが読んでいる内容を覚えていて次男に読んでやるのですが、もちろん、一言一句間違えずに覚えている訳ではありません。字が読めないので、絵本に描かれていることを読み取って、次男に話しています。次男もなんだかごにょごにょいいならが、絵を指差したりしてにこにこしており、二人のなんとも微笑ましい時間を過ごせるようになりました。
わたしが読んでいるときには、気づかないようなところを物語にして話しているのを聞くと、子どもの想像力の豊かさをあらためて知らされます。もともとわたしが絵本を読んでいても細かいところに長男は気がついて、教えてくれていたのですが、文字を読めないからこその、彼の力を発揮しているようにも思われました。”字が読めたら楽しいのに”とばかり思っていましたが、長男が次男に自由に楽しく読み聞かせている姿をみると、そうとばかりはいえないようです。
もうしばらくすれば、苦なく文字がわかりどんどん本を読んだりするようになるでしょう。そうすれば、同じ絵本なのに違う物語が創造されることは、きっとなくなってしまいます。そう思うと、なんだか今のこの一瞬の時期がとても大切に感じられるようになりました。文字を追うことを急がずに、もうしばらく長男には、一冊の絵本からたくさんの物語をうみだしていってもらいたいと思います。