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鍼療室からの伝言

鍼灸師の西下先生による陰陽や自然食。二十四節気など古来の智恵のお話

圭鍼灸院 院長 鍼灸師
マクロビオティック・カウンセラー

西下 圭一 (にしした けいいち)

新生児から高齢者まで、整形外科から内科まで。年齢や症状を問わないオールラウンドな治療スタイルは「駆け込み寺」と称され医療関係者やセラピストも多数来院。自身も生涯現役を目指すアスリートで動作解析・運動指導に定評がありプロ選手やトップアスリートに支持されている。

自然を信じ、あるがままに

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健康になるためには、何をすればいいでしょう?

こんな質問をされると、何かしなきゃいけないのではと考えがちだけれど、本当は何もしなくていい。
人間には自然治癒力というものが備わっていて、たいていのことなら自分で治す力を持っています。
そのことを知って、信じることが大切です。

日にち薬が効くわけ

「日にち薬でそのうちに治るだろうと思ってたけど……」と、とくに何もせずに数日間から数週間我慢してから来院される患者さん。
一方で、すぐに病院に行って検査をしてもらったけれども原因が見つからずにドクターショッピングを繰り返してきた患者さん。
同じ疾患であっても、前者の方が早く良くなっていくことが多いものです。

前者は、すぐに治るわけでなくとも時間の経過とともにやがて治っていくことを知っている。
何もしなくても治ることを知っているし、時間が必要な場合には何をしたって短縮できないとも知っています。
人の助けを上手に借りることが必要なことも知っています。

後者のドクターショッピングでは、まず患者さんが自分の体に対する思い込みがあって、医師の診断に納得がいかないという背景があることが多いといえます。
実際に診断の難しい病気や難治性の疾患であることもあるので一概には言えないけれど、それ以上に「私の症状は難しいんだ」という思い込みを強めてしまっています。
どちらのケースであっても、例えば、骨折のように骨がきちんと癒合し完治するまでに最長で数ヶ月かかるようなものが、何かのクスリや治療法で3日で治るなどということはあり得ません。

長期にわたっての痛みを抱えているような場合に、尋ねることは「お風呂上がりにどうか?」。
お風呂上がりは心地が良い、痛いことを忘れている、そう答えられることがほとんど。
ということは、温めれば楽になるということ。
だとしたら、日々の入浴をきちんとするに越したことはない。
ドクターショッピングする時間に、温泉にでも浸かったほうが確実に体は楽になる。
日本には古くから「湯治」という治療法があるのです。

診断名がつかず、治療法が見つからなくても、自分が快適に毎日を過ごすことができれば、それ以上のものはないのではないでしょうか。

自然は間違えない

自分の体への思い込みのひとつとして、自分の体だから自分がコントロールしているものと考えがちなことがあります。
実際のところ、自分の意志で動かしているのは、身体のほんの一部の機能に過ぎません。

食べること一つをとって考えてみると、自分でできるのは、食材を選ぶこと、調理すること、食べること、噛むこと。
ここまでしか自分ではできません。
いまから食べようとするランチを前に、「今日は夕食が遅くなりそうだから、いつもの倍の時間をかけてエネルギーにしよう」と考えて、その通りにできる人はまずいないでしょう。
ゆっくりと味わっていただくことまではできたとしても、飲み込んでしまえば、あとは意志でコントロールできない領域になります。
消化も代謝も排泄も、意思とは関係なく自律神経が働いてくれるからこそなせる技なのです。

禅の言葉に「柳緑花紅(やなぎはみどり、はなはくれない)」とあります。
柳の木は緑の葉を垂らすものであるし、花は紅色に咲いているもので、どちらもただあるがままに命をまっとうしているということ。
当たり前のことのなかに、真理があるということです。

自然は間違えることはありません。
葉の色は変わることはないし、花は季節が来れば咲き、そして、散っていきます。
自然を信じ、考えすぎることなくあるがままを受け入れて、自分らしく生きていきたいものですね。

- 鍼療室からの伝言 - 2018年8月発刊 vol.131

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