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鍼療室からの伝言

鍼灸師の西下先生による陰陽や自然食。二十四節気など古来の智恵のお話

圭鍼灸院 院長 鍼灸師
マクロビオティック・カウンセラー

西下 圭一 (にしした けいいち)

新生児から高齢者まで、整形外科から内科まで。
年齢や症状を問わないオールラウンドな治療スタイルは「駆け込み寺」と
称され医療関係者やセラピストも多数来院。
自身も生涯現役を目指すアスリートで動作解析・運動指導に定評があり
プロ選手やトップアスリートに支持されている。

心を洗う時間の持ち方

投稿日:

「日ごろの行いでしょうね」。

病気になるか・ならないか、あるいは感染するか・しないか、重症化するか・しないか、これらの違いを分けるものはなにかと尋ねられ、「日ごろの行い」しかないんじゃないかと答えました。

もしかしたら、尋ねてきた人としては、なにか特別なことを答えてほしかったのかもしれません。同じように感染しても重症化しなかった人は共通してこのタイプのマスクを着けていた、というような秘密を期待していたかもしれません。でも残念ながら、そんなものは、ありません。

日ごろの行い

食べ物に気をつける、適度に運動する、ちゃんと休息する、十分な睡眠を取る、もしくは飲酒や喫煙などの嗜好……、これらのことを総称してなんと呼べばいいでしょう。これらを「日ごろの行い」と呼ばないとしたら、どんなものを「日ごろの行い」と呼ぶのでしょう。これらのことが病気になるかならないかに関係しないのならば、いったいどんなことが影響するのでしょう。

これらはすべて「日ごろの行い」です。これらのことが病気になるか・健康を維持するかに影響しないとは考えられません。さらにはこれらのことはすべて、自分でコントロールできるものばかりです。

「日ごろの行い」と聞くと、旅行やイベントの日に好天を願うような自分ではコントロールできないもののために、日ごろから徳を積む特別な行いと認識されるかもしれません。でも、そんな特別なものではないでしょう。そもそも、特別な日の天候を左右するような成果を期待している段階で、もはや「徳」とは呼べない気もします。

自分ではコントロールできないことは悩まずに手放す。自分でできることをやる。それが自分の将来を分けていくのではないでしょうか。

先日、腰痛で悩む患者さんに「天候も良くなってきたし、外に歩きに出てみたら」と伝えてみたところ、「いまは、戦火に見舞われている人たちを想って、心を痛めているんです」と返ってきました。遠く離れた異国の戦況が気になってテレビを見続けて、外出することもない。テレビを消して、歩きに出れば腰痛は解消し心も紛れていくものを、腰だけでは物足りずに心まで痛めて、その先さらにどこまで痛めれば気が済むのでしょうか。

これもまた、日ごろの行いです。コントロールできないことを悩んでなにもしなければ、なにも変わりません。自分でコントロールできることをやっていく。その先で自分の健康状態を左右するだけでなく、人生をも変えていくのではないでしょうか。

市中の山居

平安から鎌倉時代にかけての歌人・鴨長明は、『方丈記』のなかで「山中の山居」と説いています。山のなかにひとりで籠って、鳥の声や風の音を聞きながら静かに過ごす生活が理想であると考えていたようです。

これに対して、後の茶人・千利休は「市中の山居」といっています。慌ただしい街なかにいながらも山居の状態をつくることはできる。このために家屋では母屋から離れた場所に茶室をつくり、そこでお茶をたてることで静かな時間を過ごすことの大切さを説いています。なにも特別な場所まで行かず、身近なところでもできることはあるということです。

現代では、屋外でのほうがひとりの時間は持てそうです。家のなかにいれば、テレビはあるし、インターネットに繋げば情報はいくらでも流れてくる。だったら、携帯電話も持たずに外出してみる。最低限の小銭だけを持って歩きに出るくらいが、ひとりきりでいる時間を持つには良さそうです。

歩きながら、自分の内面と向き合う。いまできることを考えてみる。騒がしいなかでも惑わされない、心を洗う時間になることでしょう。

- 鍼療室からの伝言 - 2022年5月発刊vol.176

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