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特集

インタビュー取材しました。

安藤 理さん インタビュー思うように 動けないのはなぜ?(後編)

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「始めたい」「変わりたい」という気持ちはあるのに、なぜか動けない。ということ、ありますよね。これは「手放す」ことと関係しているようです。「手放す」という言葉を広めるきっかけとなった書籍『人生を変える一番シンプルな方法 セドナメソッド』の監修者安藤理さんに「手放すこと」の魅力、よくある誤解について伺いました。1月号の続きです。

「過去」や「原因」を探すのではなく
「今、直面している感情」に注目する

―「手放す」という言葉に「トラウマのようなレベルの根深いものを大掃除する」というイメージを持っていました。そういう押入れの大掃除ではなく、目の前に散らかるものを片づける感じですね?

安藤理さん(以下安藤)
そうです。「どういう気持ちが浮かんでくるのかな?」というところに注目します。その先の、具体的な行動や選択など、感情を解放している間は、過去も未来も意識する必要はありません。
「カフェテリアのトレーのディスペンサーのような」という表現が本のなかにも出てきますが、上を取り出すと下から次のトレーが上がってくる。そういう風にプロセスが進んで行くことが多いので、最初から、下の層を取り扱う必要はありません。表層から取り除いていくことが大切なのです。一段取り除いたところで、解放が一旦落ち着き、小休止となったとき、「今はここまでにしておこう」と終わらせることもできる。まだ残っているとしたら、また次が上がってくるので、自覚したらまた解放していく。
もちろん、個人セッションなどでしたら、時間をかけて誘導していきますので、より奥深く解放が起こることがあります。ときには、そういうサポートを受ける方法もありますが、日常的に行う解放は、自分にとって負担のない範囲でやっていけばいいのです。一気に全部を取り除こうとする必要はありません。
問題や抱えている感情の原因をわかる必要がないというのもセドナメソッドの特徴です。「原因」を考えているうちに、それを捉えられずに混乱してしまったり、行き詰ったりしてしまうことがあります。日常を整えるには、いちいち過去を振り返る必要はありません。セドナメソッドはセルフケアとして使える手法です。日常的にできて、シンプルで負担が少ないので、続けやすいのです。解放後に気づきが得られることもあります。

『新版 人生を変える一番シンプルな方法―セドナメソッド』
ヘイル・ドゥオスキン(著),安藤 理 (監修), 乾 真由美 (翻訳)主婦の友社

本来持つ直観力や識別力が
働きやすくなっていく

安藤
なんらかのセッションを受けたり、この書籍の後半に書かれているていねいな手順を使うと、今の課題について解放を始めていったときに、実は「今、直面している感情」が過去に経験したのと関連性がある……と気づくことがあります。その場合、現在と過去とが、併せて解放されていくということが起こり得ます。
今の感情に過去の影響があるように思われても、あえてそこにフォーカスする必要はありません。今の感情に注目することから始めればいいのです。

―私はグループコーチングを受けていますが、セドナメソッドは「併用したら効果的」とのことでうれしいです。

安藤
ヘイルさんの考え方は、とてもオープンなスタンスなんです。多くの人は、いろいろな手法を知っていくなかで、セドナメソッドにたどり着きますが、状況によって使い分けやすく、相乗効果を期待しやすいといえます。どれかが一番正しいとか、優れているとかではない。人生にも正解はいくつもありますよね。セドナメソッドで解放してくると意識が開いてくるので、自分に役立つものや価値があるものを見つけやすくなります。

―直感が研ぎ澄まされるのですね?

安藤
そうなんです。感情解放が起きると、普段、感情の厚い層が覆っていたものが、だんだん剥がれてきますので、自分の本来持っている直観力や識別力が働きやすくなっていきます。そして自分に合うものを見つけたり出会ったりして、動きやすくなっていきます。引き寄せの法則やシンクロニシティといわれますが、セドナメソッドを続けている人には、たくさん起きます。それも合わせて取り入れながら、セドナメソッド単独ではなく、プロセスで出会った全てを活用していくということができます。
選択の主体は自分自身ですよね。誰かの意見は、もちろん参考になりますが、最終的な選択や識別は、自分のなかにセンサーがあるはずなので、それを使っていきます。この本に書かれているのは、本の内容さえも鵜呑みにせず、「書いてあるから信じる」のではなく、試してみて「自分が体験してから確認できたもの」を自分にとっての真実として取り入れていくという姿勢の奨励です。それが身につくと、他のことについても、振り回されたり依存したりしなくなります。

地道で根気のいる取り組み
山登りと似ているかも

―書籍を読むだけでもできますか?

安藤
大まかな印象では、読者の約半数が実感を得られているようです。難しい方は、僕のセミナーやセッションを受け、音声の誘導を体験していただくと、より言葉や例えが明確になって、具体的に実感、体感できると思います。言語とか文化とか、民族の違いを超えた、普遍性や共通性を持つ手法だと思います。誘導もとてもシンプルで、文化的な独特の要素などが最小限かと思います。たくさんのヘイルさんのセミナーやセッションを受けてきて、民族による違いというものは、それほど感じたことはありません。本に「人間である限り誰もが自然に持っている能力」と書かれている通りです。大人になるにつれて使うことがなくなっている能力をもう一度、意識的に使い直しているだけです。言葉を使って誘導しているものの、言葉を超えたところを使って本当は起こっているものですので。

「解放体験」は、人間である限り
誰もが自然に持っている能力

―「やりにくい」と感じている方がいるなら、心のどこかでこの手法を疑っているという可能性も考えられますか?

安藤
本当にこれに取り組むことが必要か、役に立つか、その意欲や興味があるかどうかだと思います。劇的な即効性を持ったものではなく、ある程度、地道で根気がいる取り組みですので、そのタイミングにいらっしゃるかどうか、というところが大きいのかなと思いますね。
続けていくとあるとき、ポンッと手応えがやってくることがあります。かすかな感覚の違いというものが、その都度、その都度、起きていく。それを積み重ねていったときに、振り返ると「あ、だいぶ変わってきたな」と思うような、ほんのりとした変化が感じられるのです。山を登るときもそうですが、一歩一歩、足元を見て歩いているときは、そんなに高いところに行ける気がしませんが、ある程度歩いてみて、休憩して後ろを振り返ったときに、だいぶ景色が変わっていた……。あぁいうのに近いかなと思いますね。
山を登るときも「高いところの空気や景色を体験してみたい!」という願望や意欲があるからこそ、途中、がんばりが必要な場所も続けられる。セドナメソッドはシンプルで多大な努力を必要とする手法ではありません。でも、やっぱりその都度、不快な感情に向き合うということを続けるわけですから、「心地悪いところも通過して、その先へ行ってみたい」という意欲や興味があるかどうかを感じる方に適した手法だと思います。

安藤さんによるセドナメソッドの7つのポイント
  1. 今ある表層の「感情」だけを手放す
  2. 「感情」を分析・識別しない
  3. 「消す」のではなく「離す」だけ
  4. 過去・原因にフォーカスしない
  5. トラウマを一掃するものではない
  6. 自分ができる範囲でいい
  7. 心地悪いところを通過しても先へ進みたいという好奇心
密着しているものを離すと
その手が自由に使えるようになる

―今も、セドナメソッドを日常的に使っておられますか?

安藤
はい。かすかな感覚っていうのを、とりあえず軽くしていくということはしています。そんなに手順をきっちり経なくても、感情を認めていくとしばらくすると薄れていきます。ちょっとていねいに解放しようと思ったときには、ヘイルさんの誘導の音源を聴いて解放することもあります。何かテーマを扱うだけではなく、瞑想をするように、今この瞬間にくつろぐとか、その静けさに浸るとか、マインドフルネスのようなものとも併用したり、それと近い使い方もできます。
ほとんどの人が思考しているので、この瞬間から見ると、過去か未来か、どちらかを思っていますよね。でも、本当に今、それが必要なのかというと、そうではないはずです。そうなっていると気づいたら、ちょっとそれを休んで、今ここにただくつろぐようにします。そうすると、またクリアさが戻ってきたり、自分のなかのバタバタやザワザワした感じが鎮まっていく。「今自覚される気持ち」を手放した後の瞬間は、その都度、落ち着きや静けさが増した感覚があります。

―「モヤモヤ」「ザワザワ」するけれど、その理由がわからない場合はどう始めたらいいでしょうか?

安藤
その「モヤモヤ」を手放すことから始めたら大丈夫です。感情の種類を分類とか、特定はしなくても大丈夫です。特定できればスッキリはしますが、わからなければ「モヤモヤ」の存在を認めて解放していけば、モヤモヤが晴れていく。追求しなくていいのです。モヤモヤを手放してみたときに、その核にあるものに気づけることは多々あります。入り交じっているとわからなくても、外側のモヤモヤが解放されていくと、「あ、実は怒っていたんだ」「傷ついていたんだ」と、よりはっきり捉えられるようになってきます。分析とか言語化とか、レッテルを張ることは可能ではありますが必須ではない。それぐらい頭を使わずにできる手法です。シンプルにやっていけば、その都度、必要な体験が得られるのです。
「手放す」というニュアンスは「消し去る」ということではありません。「手を開いて、握っている力をフッとゆるめる」ということであって、握っているペンを消すわけではありません。ゆるめると「手から離れていく」という感覚であると知ってもらいたいです。この瞬間にいくらか力を緩め、密着しているものから離れると、その手が他のことに使えて自由になれる。今までとは違った感覚を感じたり、考えが浮かんだりする。そのスペースができる。それが「手放す」ことの効用であり、メリットです。
「持ち続ける」という選択肢はあるけれども、持ち続けている状態が本当に自分の望む状態なのかというとそうではありませんよね。今まで持ち続けていたから、むしろ「マイナス感情を持っているのが自分」だと認識している状態を、原書ではアイデンティティと表現されていましたが、それは思い込みであり、真実ではありません。その感情と同一化して、否定的だったり制限的だったりする感情・思いを抱え込んでいる状態です。本来の自分は、もっと自由で、もっと幸せを感じたり表現したりできるもののはずなんです。だから、一瞬でも離してみると、その感覚が少しずつ戻ってくる。「今だけでも、ちょっと横へ置いてみる」「一旦離してみる」。その意欲や好奇心です。離してみると「あ、なんか楽になった」「すっきりした」という感じです。それだけでいいんですね。
「手放す」ことが難しいと思っている人は、それ以上のことをしようとしているのではないでしょうか。二度とこの想いや感情を持たないようにしたり、無理に引き離したりということなら、確かにハードルが高いですよね。その対象について、「今、自覚される感情」を、できる範囲でちょっと離してみる。その積み重ねで、徐々にスペースができる。握り締めて密着していたものとの隙間、距離ができてくると、少し客観的に対象を見られるようになるんですね。

―感情に対してちょっと近視になってしまっていた……ということですよね?

安藤
はい、手放すまではそういう状態です。感情を手放すと「問題」についても冷静な判断や行動に移りやすくなってくる。客観視する力、感情を解放しようという意思、適切な判断力や行動力などは、感情を超えている気づき(アウェアネス)から生じるものなので、意識的に使えば、その働きはより増えていきます。不快な感情が完全に消えてなくなる必要はなく、少し離れたり高い視点から見たりして「あぁ、今、そう感じているんだね」と思える割合が増えてくれば軌道修正できるのですね。

―散らかってるのを見つけたら、また片づければいいわけですよね。

安藤
はい、それを習慣にするということですね。その習慣ができてくると散らからなくなってきて、ある程度、整った状態ができてきますよ。完璧主義も必要ないし、できる範囲をだんだん増やしていけばいいだけです。
「何かに囚われて気になってしまって思うようにできない」「幸せだ(十分だ)と考えられない」という場合、おそらく感情の手放しが、望んでいる方向へ行くのに役たちます。
「手放す」ということの重要性を感じていらっしゃる方はもちろん、興味がない人も、今の生活や健康をよりよく改善・向上させていくことに興味があるなら、セドナメソッドは役立ちます。こうなりたい、こうしたいのにできないということを阻んでいる大きな要因に、「自分の感情」があるわけですから。

安藤 理(あんどう おさむ)

兵庫県神戸市出身。8年間の東京暮らしを経て98年に山梨県小淵沢町に移住。99年に「ソース」を活かし始めてから八ケ岳南麓での生活が活性化。00年5月からソーストレーナーとして数多くのワークショップを実施。01~14年株式会社ヴォイス主催のソーストレーナー養成講座講師担当。
ソース公認トレーナー。米国STA認定セドナメソッド・コーチ。書籍「人生を変える一番シンプルな方法~セドナメソッド」監修者。八ヶ岳南麓の自宅でセドナメソッドの電話セッションやソース・ワークショップ、東京と神戸でセドナメソッドのグループセッションを実施している。
http://andoo.info/

取材を終えて

「頭で考える」ということから離れ、心をクリアにしていくセドナメソッド。シンプルだからこそ、誤解が生じやすいのかもしれない。インタビューでは、言葉のニュアンスを変えつつ、微妙に角度の違う質問を繰り返し、何度もていねいに説明していただいた。

セドナメソッドは、「自分を客観視するための『心の基礎練』」という印象だ。主体と客体のスイッチを切り替えるための「心の筋トレ」といえるのではないだろうか。連載コラムを執筆してくださっている先生方の話にも登場するが、私たちのなかにある固定観念(コア・ビリーフ)は、いつも夢や未来、人間関係の循環を邪魔している。その固定観念に気づくのにも、役に立つように思う。

安藤さんにお会いするために、久しぶりに『セドナメソッド』を読み始めてから、毎日「感情を手放す」ということをしている。これがなかなか楽しい。「ぽいっ」と言いながら、毛玉を取るように捨てるのが、今の私のやり方だ。イメージは、人それぞれ。自分のやり方を模索しつつ、詳細は、安藤さんのセミナーで体感してみては?

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編集室Roots 代表
藤嶋ひじり(ふじしま ひじり)

『らくなちゅらる通信』編集担当。編集者ときどき保育士。たまにカウンセラー。日経BP社、小学館、学研、NHK出版などの取材・執筆。インタビューは1,500人以上。元シングルマザーで三姉妹の母。歌と踊りが好き。合氣道初段。

- 特集 - 2017年2月発刊 Vol.113

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