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インタビュー取材しました。

【Vol.79】イタリア有機農業の父 「ジロロモーニ」

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旬のおいしさの増える春、おすすめのシリーズをご紹介。イタリアン好きをはじめ、定評のある「ジロロモーニ」製品。そのおいしさの裏に物語あり! 春の味覚とともにお楽しみください。

パッケージの人物は眼光鋭い哲学者?
思慮深いまっすぐなまなざしのあご髭の紳士……一度見たら忘れられない「ジロロモーニ」のパッケージ。この印象的な人物は「ジロロモーニ」の創業者ジーノ・ジロロモーニ氏で、「イタリア有機農業の父」とも呼ばれている人物です。残念ながら2012年に他界され、現在、会社は息子さんが継いでいます。「ジロロモーニ」の商品は、創設当初からすべてオーガニック。農業を「食づくり」としてだけではなく、地球環境を考慮した社会づくりの一貫としてとらえています。

地球を傷つけない有機農業という選択
ジロロモーニ氏は、1974年から有機農業に取り組み、その後1970~80年にかけて生まれ故郷イゾラ・デル・ピアーノの村長を務め、農民文化の研究や再評価に関するプロジェクトを手がけました。1977年には有機農業専門の農業共同組合を設立(現在組合員数30組以上、耕作面積1300ヘクタール)、1986年にはマルケ州有機農業者協会を仲間と設立、1997年には地中海有機農業協会を設立(現在1万3000もの有機農業生産法人が加盟)するなど、イタリアの有機農業を引っ張ってきました。ジロロモーニ氏は、「地球環境を傷つけないことが私たちの役割。生産性とスピード重視のライフスタイルを見直すべきだ」というメッセージを有機農業という形で発信し続けたのです。

農業の原風景は幼い頃の思い出に
ジロロモーニ氏は1946年、先祖代々農業を営む家に生まれました。子どもの頃は、祖母と父母、弟と妹の6人暮らし。生前のインタビューではその暮らしについて、こう語っています。
「畑では、小麦や野菜、豆などを作り、牛も飼っていました。自給自足の暮らしで、パスタもパンも自分たちでつくります。幼い日の記憶として、パンの焼けるいい香りに包まれていたことを覚えています。大人になったときに農民というものに強いあこがれを抱いたベースは、そんな原風景にあるのでしょう」。
しかし4歳のとき事件が起こります。母と牛のエサを探しに森に出かけた際、母が棘で足を傷つけて破傷風となり、それが原因で亡くなってしまったのです。その後ジロロモーニ氏は故郷を離れることになります。
「6歳になったとき、寄宿舎に入りました。寄宿舎は村から車で1時間もかかるペーザロの町にありました。父がきちんとした教育を受けさせようと考えてくれたのです。貧しい時代でしたから、お金はありません。母を亡くした子どもということで、福祉的措置として無料で寄宿舎に入ることができたのです。でも、私は寄宿舎での暮らしがつらくて仕方ありませんでした。言葉すら通じません。当時の私はマルケ語(イタリア、マルケ州の方言)しか話せず、同級生の標準語が理解できなかったのです。先生に『家に帰りたい』としょっちゅう訴えていました。小学校から高校まで、家を離れて寄宿舎暮らしでした」。
そして1964年、高校卒業後はオートバイを作る会社に就職するも長続きせずに退職。その後スイスのスキー工場で働きますが、やはり長続きせず、22歳のときに祖母が病に倒れたのをきっかけにイタリアに戻ります。

大地の痛みを感じ農業再生を訴える
大戦後の高度成長時代、久しぶりに戻った農村は、風景は同じでも何かが変わっていたといいます。農業は昔とは異なり、農薬や化学肥料を大量に用いる時代です。虫や微生物などの生きものたちは確実に変化していたのです。ジロロモーニ氏はそうした現実を「森が泣いている」「大地が苦しんでいる」と痛みとしてからだで敏感に感じていたといいます。
その後23歳のとき、周囲から村長に立候補するように勧められて見事当選。村の過疎化に心を痛めていた彼は、農業に新たな光を当てることを試みたのです。
「農民が次々と村を離れていった時代です。なぜ、そうなるのかを考えた末、農民のすぐれた文化や暮らしをみんなに知ってもらうことにしました。自分たちのしている農業が意味あることだと理解すれば、村にとどまる人が増えると思ったからです。そこで、それぞれの農家で代々、使ってきた道具などを集め、学校のスペースを借りて『農具展』を開きました。壊れかけた機織り機を直して、生地を作ったりもしました」。
「子どもの頃からずっと、農民という生き方に惹かれていました。でも、なぜそう思うのかは自分でもよくわかりませんでした。村長になり、『農具展』を開き、その理由がわかりました。農民というのは、自分たちの知恵を世代から世代へ伝えてきた人たちです。道具を生み出し、作物も、生地も、何でもつくることができる。田舎は貧しいという人がいますが、それは間違っています。ほんとうの文化や知恵を持つのは農民であると知ったのです」。
こうして「農業展」をきっかけに農業文化の素晴らしさを再認識し、本格的に有機農業への道を歩みはじめていきました。
「ジロロモーニ」の製品には、ジロロモーニ氏の人生がギュッと詰まっています。そして彼の自然や農業にかける思いを、おいしく味わう中で少しでも感じることができたらいいですね。
(※ジロロモーニ氏のコメントは創健社・2008年インタビューより引用)
<らくなちゅらる通信編集部>

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- 特集 - 2014年4月発刊 Vol.79

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