プレマの『らくなちゅらる通信』になにを書いていこうかとぐるぐる考えていたら、幸せでハッピーなフレーズを、歩いているときも、お風呂の中でも、エレベーターの中でも、気づくと口ずさんでいた。それを鼻歌や小さな声で口ずさんでも、なんだか気持ちが少しゆるんで楽になる。「私は気や血液がいかに気持ちよく流れていくか、そのための助けになる小さな発見をみつけることが、とても大好きなんだなぁ」と、幸せハッピーとらくなちゅらる通信のおかげで自分を再発見したような気分になった。
身体からのメッセージ
年末年始に、忙しくてバタバタしていたら、腰痛と歯痛でお酒をがまんして過ごす正月になってしまった。寒さは腎臓や膀胱系に影響を与えるため、漢方では、冬は腎の働きが衰える時期といわれている。そこから考えると、「無茶していた自分の身体を整えてね」という身体からのメッセージだと思った。それから養生しながら治療も含め、日々できることを正月早々から探っていた。
東洋医学では、上の歯茎は胃、下の歯茎は大腸からのメッセージであるともいわれている。ゆっくり休むことも重要なのに、暇があると動きはじめてしまう性分なので、きっと歯も腰も静止を伝えてくれているのだろう。「本当にありがとう、自分の身体。そして気づくの遅くてごめんよ」と思った。
都内に雪が降った前日、10時間も熟睡したあと、歯痛は完全になくなった。歯科にも通院したが、「痛みの原因はなんだろう?」という感じだった。その後は身体からの痛みのお知らせもなく過ごせているので、年末年始から取り組んでいた唾液腺や耳下腺、舌下腺のマッサージは、ひっそりと地道に毎日続けている。唾液がしっかりでることは、消化や感染症の防御においてもおろそかにしてはならないことだ。それらは歯痛がなかったら取り組まなかったであろうアプローチで、なんだか身体全体が楽になっているのも嬉しくなる。「もはや、ありがとう、歯の痛み!」とも思った。
先人の知恵に触れる
歯痛には漢方薬で立効散という薬があり、細辛(ウスバサイシンの根)、升麻(サラシナショウマの根)、防風(ハマボウフウの根)、甘草(カンゾウの根)、竜胆(リンドウの根)で構成されている。「牙歯痛んで忍び難く、寒飲を悪み、熱飲を悪み」と古典には書いてあり、歯痛や顔面部の疼痛に使用されることもある薬で、歯科を受診する患者さんに、痛み緩和のためにすすめたりしている。漢方薬や鍼灸の奥深さを知っていくと、いつの時代も困っている症状は同じだなとつくづく実感する。そして、先人の知恵に触れては、するどい感性と観察力でアプローチする方法を書いて残していてくれて、本当にありがたいなぁとしみじみ感じている。
自分の経験が誰かの役に立つ
昨今の医療では、外にある敵を排除する、もしくは症状は敵の声であり、なんとしても抑え込むことが主流になりがちである。本当にそうなのだろうか。体温が上がることや風邪をひくことは、本当に生体にとっていけないことなのか。身体は発熱することで免疫細胞の働きが活性化し、ウイルスなどの異物が増殖する勢いを減らそうと、必死に守ってくれている。しかし、今あらゆる所で体温測定をする機会が増えたが、低体温はまったく問題になっていない。
人間の社会的な都合で、見落としてしまいかねないことが多くなっている気がする。そして、私たちの生体が持つ絶妙な機能を、より働きやすいようにととのえることはあまり大きな声では語られにくい。自分の症状を通して、身体をととのえることにむける取り組みが、だれかが楽になることにつながったらうれしいなと思う。