科学的なエビデンスが大好きな人は、皮肉にも科学を知らない。
プロセスよりもエビデンスが重要である。
しかし、どんな方法にも絶対的に正しいというエビデンスはないはずだ。
エネルギーワークという言葉を聞くと、よくスピリチュアルだと拒絶反応を起こす人がいる。私はこういう人を見るのが好きだ。わからないものに対する怖さや現実を変えたくないという気持ちがとても人間らしい。誰だってわからないものに出くわすのは怖い。大雨で川が氾濫したときに、川の状況を見に行く人がいるのは、わからないものから逃げることが怖いからだと私は考えている。
身体は電気で動いている。というと、否定する人もいるかもしれない。しかし、心臓は洞房結節からの電気信号で筋肉を動かし血液を全身に送っている。心電図はその電気信号を読み取ったものだ。だから、電気に関する物理の法則が成り立つ。電気は + から - に流れる、電気が流れると磁界が発生する、磁界と磁界が出合うと電磁誘導が起こるなど、身体は物理法則のオンパレードだ。しかし、測定ができないという理由で人は身体に物理法則を適用して考えようとしない。
私は人のエネルギーは電気的な性質を持っていると捉えている。例えば、頭を + 、足を - 、右半身を + 、左半身を - と仮定して、人の身体に触れてみる。触れる人の右手の + を相手の足の - に、触れる人の左手の - を相手の頭の+にという具合にすると、エネルギーが動き出す。内臓が動き出すのがわかる人もいるだろう。手を置く位置を逆にすると逆に流れる。まるで単純な電気回路のようだ。これはオステオパシー医であり、ポラリティセラピーの創始者ランドルフ・ストーンが発見した。私もこれを学んだ。身体にも物理法則が成り立つと知ったとき、とてもワクワクしたのを覚えている。
科学の本来の目的は、わからない現象をわかるようにすること。そして、再現性を確立して、人々が使えるようにすることにある。だから、科学は「わからないものがある」ということを前提としている。最先端の科学を見てみると、私たちが生きている4次元の世界には、ひとつ上の5次元が存在することがわかっている。これはもはやスピリチュアルの領域ではないだろうか。
大雨で川が氾濫したとき、きっと私は川を見に行く。しかし、わからないものから逃げるのが怖いのではない。誰も知らない私だけの世界を見つけるためだ。知的好奇心があれば、わからないものも怖くはない。一歩踏み出したら誰でも科学者になれる。