子どもたちと夕飯を食べていると、いつも「クイズを出して!」とせがまれます。ただし、お題は決まっています。「今日の食事に出てきた素材と調味料はなーんだ?」というものです。食育クイズが大好きなのです。彼らは五感+当てずっぽうも含めた六感をフル稼働させてクイズに挑んできます。味覚・嗅覚が優れているのか、味噌汁を飲んだ息子が「ダシに鰯が入ってる!」と言い当てたときには、こちらが驚きました。
私が子どもたちと囲む食卓には、できる限り“生きるうえで食べて欲しいもの〟ということを意識しています。その人が食べたもので、健康も病気も作られるので、食べるものを選べる大人になって欲しいからです。
そのためには一緒に暮らしているうちに食事について教えることが重要だと考えています。私や知人は親から味覚を教わり、一度ファーストフードなどで冒険をした後、親から教えられた味に戻ってくる経験をしています。今でもふと急に、実家で食べていたご飯の味が懐かしく、食べたいと思うことがあるぐらいなので、子どもたちにも帰巣本能があるだろうと思うのです。
その“生きるうえで食べて欲しいもの〟ですが、毎日継続していくことが必要なので、特別なことはしません。毎食ご飯に常備菜、旬のものをおかずや汁、サラダにしていただく。雑食なので肉も魚も適度に加えます。調味料は適宜試しながら好みで確かなものを選びます。それだけです。あまり手の込んだ味つけをしないので、子どもとは素材そのものの味について話ができるようになりました。
私が新米かあさん2年目ぐらいのころ、食事はこうでなければ駄目とガチガチに決めて実行した結果、何も安心して食べられるものがなくなり、疲弊しきったことがありました。その経験からジャンクかなと思うものも時には割り切って食べるようになりました。食事は楽しくとるのが一番ですね。
食育の実践としては、料理のお手伝いをしてもらっています。食べる前の素材や調味料を知る良いタイミングなので、食材図典などを見ながら話すことも多々。先日はカカオ豆からチョコレートを作りました。いつも唐突に実験教室を開催するのですが、それが芋からのこんにゃく作りとか、柚子胡椒作りとか、どんなにマニアックだとしても、今のところまだ参加してくれています。
親が子どもになにかしてあげられる時期は、ほんの僅かなのだろうと感じます。あと何回いっしょにしてくれるかわかりませんが、今年も味噌仕込みをおこなう予定です。
プロモーションセクション 峰村 東子(みねむら はるこ)
プレマとのご縁は2014年より。取材や体験をした商品について、ご紹介コンテンツやメルマガなどのライティングをしています。
週末は卓球に勤しむ、発酵や実験が好きな東京のスタッフ。小学生2児の母。