オリーブオイルを料理に使うと本格的な味になるので愛用しているのですが、体にいいというのは本当でしょうか？
（ママのパスタはレストランの味と褒められた40代主婦）

Ａ．健康効果は、本物であってこそなので見極めを

答える人  プレマ株式会社　お客様コンサルティングセクション　岸江 治次

オリーブオイルは近年、さまざまな健康効果が知られ、非常に注目されています。ほかの油とどう違うのかというと、一般的に油は種や豆から搾って作られるのに対し、オリーブオイルはオリーブの果実を搾って作られます。ゆえに栄養学的に、オリーブオイルは非常に優れているといえるでしょう。

人は三大栄養素がないと生きていくことはできません。その重要な栄養素のひとつが脂質です。脂質は細胞膜やホルモンを作ったり、活動するエネルギーになったりもします。オリーブオイルには必須脂肪酸を含む脂質が良質かつ非常に多く含まれ、特に一価不飽和脂肪酸といわれる「オメガ9」が含まれます。オメガ9の代表格はオレイン酸という脂肪酸で、血液中のコレステロールや血圧を下げる効果があります。さらに、オリーブオイルにはクロロフィルやポリフェノール、ビタミンEが多く含まれ、抗炎症作用や抗酸化作用が非常に高いです。オリーブオイルを料理に使う「地中海式食事法」が、健康で長寿になる効果や心臓病による死亡率が低下するとして話題になり、一時期日本でも地中海式ダイエットがブームになりました。この食事法では長寿のほかにも、動脈硬化がなくなる、血圧が下がる、生活習慣病対策になる、便秘が改善するなどさまざまな健康効果が証明されています。

このように極めて健康効果の高いオリーブオイルを生活に取り入れたいものですが、気をつけるべき点があります。それは日本では規制が緩いということです。世界ではオリーブオイルはオリーブオイル協会が厳格な安全基準とランクを設けていて、最上級のランクは「エキストラバージンオリーブオイル」と呼ばれます。これは実を搾った後に人工的な処理をせず、自然のエネルギーをそのまま摂ることができる画期的なオイルです。しかし、日本で販売されている製品の表記に「エキストラバージンオリーブオイル」と書かれていても、それが本当にエキストラバージンオリーブオイルかどうかはわかりません。日本は四季折々で食材そのものがおいしいので、輸入油には無頓着であるという背景に加え、輸入に依存せざるを得ないという事情があり、法が整備されていないからです。

オリーブオイルの健康効果は本物であってこそ。まがいものが溢れているなかでも、アサクラさんのようにイタリアの農園を訪れ、本物を見つけて日本に輸入している方もおられますので、使うときは本物かどうかをしっかり見極めましょう。ポイントとしては、まず安すぎるものはだめです。1リットル1,000円を下回るものは信用できません。また、質の悪いものとしては、人工的に生成したピュアオリーブオイルや、違う植物のオイルを混ぜているものも存在しますので、注意が必要です。

しかし、高価なものが必ずしも良いとは限りません。オリーブオイルは世界中で伝統的に使われてきたものであり、高価になっている場合もあります。例えば、原産地の表示は最終的に瓶詰めした国を書くため、使われているオリーブの原産国は違うということもあります。見極めるためには、「誰がつくっているのか」を知ることが重要です。信頼のおける農園や銘柄、有機認証などを確認し、本物のオリーブオイルを生活にうまく取り入れてみてはいかがでしょうか。