正直に言うと、私がマクロビオティックに関心を持ち始めて実践しだしたころ、一番苦労したのが牛乳です。
というのは私が生まれた昭和30年代は粉ミルク世代ともいわれ、牛乳によって体を育むことが世代的に重要視されたときでした。
母乳でまかないきれない栄養を粉ミルクで補いなさいという風潮だったのです。
幼少期から慣れ親しんで飲んできた牛乳は食養の考え方に触れて、気をつけて摂取しなければならないとわかってからでも、一口飲むと元気になる意識から抜け出すことが困難でした。
学校給食でも牛乳は楽しみの一つでした。
つまり牛乳信仰に洗脳されていたのです。
さらに大好物が卵と合わせたプリンだったので、若いときに、胸煩いになったことも今から思えばうなずけます。
牛乳を飲むと自分の栄養になり元気になる感覚が長らくつきまとっていました。
玄米食を実践するなかで、今はまったく飲みたい気持ちはなくなり、要するに牛乳を飲むと「健康に良い」呪縛から逃れることができました。
牛乳アレルギーではないので、ジェラートにミルクが使われていても私は平気です。
今はマクロビオティックを志す人には誤解を与えないように、「牛乳は人間の健康のために飲む必要がないものですよ」とお伝えしています。
お酒をカルシウム補給のためにせっせと飲む人はいませんよね。
それと同じで、嗜好品として飲むには問題ありませんが、家族の健康やご自身の健康に良いと思って飲むものではないということです。
牛乳の消費が増えるのと比例して骨粗鬆症の人口が増えている国内の現実は、今まで海藻のミネラルで生活してきた日本人にとって牛乳は、カルシウム補給としては最適でないことが民族的にはうかがえます。
もうひとつの選択肢オルタナティブチョイス
日本では牛乳を飲まない、飲めない、飲みたくない選択肢としては圧倒的に豆乳ですが、世界では恐ろしい勢いで植物性ミルクが広まっています。
代替ミルクといい、牛乳で料理するものをすべて置き換えることができる植物性のミルクはヨーロッパをはじめアメリカなど世界的な広がりを見せ、オーストラリアではミルクコーナーの過半数を植物性ミルクが占める売り場もあるそうです。
動物性のものを口にしたくない潮流とともに消費量が増えていますが、日本ではまだまだ認知が少ないようです。
そもそも豆乳自体、体を冷やしすぎることもあり、大豆は味噌や醤油のように発酵させることで、吸収率を高めることが伝統的でした。
弊社の扱うヌートリオプス社の植物性ミルク(エコミル)は代替ミルクのトップランナー。
いちばんオーソドックスな植物性ミルクはアーモンドミルクですが、おいしい植物性ミルクココナッツミルクは2018年度のベストオーガニックプロダクトに選ばれているほど。
オーガニックやグルテンフリー、砂糖不使用と健康に気遣った品質の高さは世界中に認められています。
そのほか穀物ミルク(キヌア等)などさまざまなバリエーションもあります。
タレントの壇蜜さんも「牛乳は寂しくなったら飲めばいい」と言っておられるようですが、寂しくとも、もう牛乳に頼らなくてよい時代への突入です。