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オリーブワールドへようこそ!

オリーブに関わって20 年。日本人目線で日本人のためのオリーブについてお伝えします

アサクラ 代表

朝倉 玲子 (あさくら れいこ)

一般企業、有機農業に携わった後、イタリアに滞在し有機農家民宿やミシュラン三ツ星
レストランにて料理修業。オリーブオイル鑑定技能講座で学び、オリーブオイルの素晴
らしさに開眼。本物のシングルエステートを探し、エキストラバージン・オルチョサンニータ
と出会い、故郷会津若松に戻り輸入開始。オリーブオイルの良さと使い方を伝えている。
http://www.orcio.jp

自然の恵をいただく

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オリーブ収穫のためにイタリアに行っていました。取り扱いオイルは5種。それぞれの生産者の畑の状態と収穫と搾油を見て、経験を深めてきました。この仕事を始めてほぼ毎年。今年で17年目。17回見てきました。各生産者は中部イタリア、南部イタリアと、それぞれの収穫の適正な時期を見極め収穫を開始します。

昔、農家の嫁をしていたとき、田植えの時期は、隣近所の様子を見て「じゃあうちも始めようか」というノリでやっていたのを覚えています。オリーブもその傾向があります。オリーブは油分を抽出するので、油をたくさん蓄えるのを待って収穫を始める人も多いようです。

私の関わる生産者は少し違い、オイルの味や風味は「その生産者の作りたいもの」にするために収穫時期を考慮する人ばかり。産地による気候の違い、水はけ、日照時間、平地か丘陵または山の中などの土地柄、オリーブの品種により味わいや風味は幾通りにも変わるので、各生産者の独自の味わいができます。

昨年は、収穫前の長雨に果実がかなりダメージを受け収穫量が激減しました。そして、今年は夏の大干ばつ。かつてない雨の降らない日が、春の終わりから続き、花の時期には猛暑が始まり、このため花が実になる前に枯れる現象が起きてしまいました。暑さは秋の手前まで続き、私も干上がった川をいくつも見ました。干ばつのすさまじさがわかりました。

柑橘類は潅水チューブなどで水やりをする光景をシチリア島などで見ることはありますが、オリーブに潅水ということはなく、今年は(も)例年の量の半分との予想です(11月初旬現在)。来年春以降に出回る2017年産の純粋なイタリア産オリーブオイルは激減することが予想されます。

 

生きる力のあるオリーブ

 

さて、実際の収穫ですが、手摘みといっても手で一粒ずつとっていくわけではなく、樹の下に大きな網を敷いて、小さな熊手のような道具でしごき落とし、それを寄せ集め、ひと箱25㎏ほど入るコンテナーに詰めます。そして、それを畑から一個一個運びだし、ひとまとめにして搾油所に運びます。一本一本の木に3~4人で網を張って、採って、集めて、運んで、という流れです。

日が暮れるまで収穫し、収穫後すぐ早く搾油するのが好ましく、劣化させず、風味や味を最高にするためスピードが重要です。その日のうちに搾油機に入れ、油と水分と果肉繊維部分に分離します。終了するのは夜遅く、真夜中になることも。また、他の生産者のオリーブと混ざったりしないよう、私の関係者は搾油所に詰め、全行程を見届けます。朝早くから夕までは収穫、夜は搾油所に、家族や手伝いの人と連携で収穫時期は長い生産者で一か月以上かけて全てを終了します。

ざっとこのような感じですが、一度でもこの経験をしたことのある人は、オリーブオイルが決して安い価格でできるわけがない、ということを身をもって理解できるかと思います。大変な重労働を経て最後に搾油機から出てきた黄金色、または品種によっては真緑のオイルが出てくる瞬間は疲れも忘れ感動する瞬間です。このオイルはそれから一年、新ものが出てくるまで大事に料理に使用します。日本でいう米や味噌と同じです。

今年の干ばつでは被害は大変なものでしたが、私の関係するほとんどの生産者が無農薬、また肥料を施さない栽培をしており、自然循環のなかで生きる力のあるオリーブの木に育てています。そのため、水不足による果実自体が実らない生産者が多いなか、ほとんどの関係者が大きな被害もなく実ってくれました。

農薬による大地の汚染や自然循環への影響、過剰に施す肥料により、オリーブが自力で生きる力が弱まり天候による負荷がかかると生きる力が弱まってしまう、と私は見ています。大地と太陽や雨、そして風や空気や目に見えない自然環境というものと人間の知恵と労働によってできる恵といっていいオリーブオイル。美味しいだけではなく、すべてのできる工程のエネルギーをいただく、と思いながらみなさんにお渡ししています。

今年の新ものが入荷するのは来春4月の予定です。どうぞお楽しみに!

 

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アサクラ 代表
朝倉 玲子
(あさくら れいこ)

一般企業、有機農業に携わった後、イタリアに滞在し有機農家民宿やミシュラン三ツ星レストランにて料理修業。オリーブオイル鑑定技能講座で学び、オリーブオイルの素晴らしさに開眼。本物のシングルエステートを探し、エキストラバージン・オルチョサンニータと出会い、故郷会津若松に戻り輸入開始。オリーブオイルの良さと使い方を伝えている。
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- オリーブワールドへようこそ! - 2017年12月発刊 vol.123

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