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ながれるようにととのえる

身体の内なる声を味方につけて、生きる力をととのえる内科医、鍼灸をおこなう漢方医のお話

やくも診療所 院長・医師

石井恵美 (いしいえみ)

眼科医を経て内科医、鍼灸をおこなう漢方専門医。漢方や鍼灸、生活の工夫や養生で、生来持っている生きる力をととのえ、身体との内なる対話から心地よさを感じられる診療と診療所を都会のオアシスにすることを目指す。
やくも診療所/東京都港区南麻布4-13-7 4階

身体感覚のあるもの

私は主に漢方診療と産業医をしている。漢方診察では、望診(視診、舌診)や聞診(嗅診、聴診)、問診、切診(脈診、腹診などの触診)などを使い、あらゆる面から病状を捉えることで、身体のどこに問題があるのか、ま …

心のシェルター

医師になったばかりのころ、まるで病院に住んでいるかのような毎日を送っていた。眼科の病棟のストレッチャーの上で眠ってしまい、気づいたら朝になっていたこともあった。家の玄関に倒れ込んで寝ていたこともある。 …

つながりあうこと

友人に誘われて、東京から仙台、さらに塩釜から船に乗り、寒風沢島にやってきた。この島が「サブサワ」という読み方であることは、出かける数日前に患者さんから教えてもらった。行き先の読み方すら知らずに、旅に出 …

小さな幸せに気づくこと

80代の患者さんが自転車に乗っている際に自動車と接触事故に遭った。その際、骨盤を3か所骨折し、左手と左足も骨折した。入院して1週間後に見舞いに行ったが、思いのほか元気で驚いた。 4か月ほど入院していた …

観察することからはじまる

診療所に大きく茂ったブラックベンジャミンの木がある。あるとき、その葉から粘性の樹液のようなものが出始めた。おかしいと思い、観察していたところ、コーヒーの実を小さくしたようなカイガラムシを発見した。しか …

モヤモヤしても、諦めない

両足首に異常な骨の変形が見られた患者さんがいた。その方は社交ダンスに夢中になっていたそうだ。検査すると明らかな異常が確認された。しかし、検査で異常を確認したとしても、単にその部位を手術で取ってしまえば …

なにを選ぶか

内科の研修のときに、網膜剥離を患っている患者さんがいた。もともと眼科医なので、手術するのが当然だと思っていた。しかし、その患者さんは手術の選択をしなかった。当時、その選択にとてもびっくりした。病気にな …

期待はどこに

難治性疾患やなにをやってもすっきりできずにいるような病態になると、良くなることへの期待が大きくなるのは想像できる。そんなとき、その期待を「どこに向けているのか?」「どのような期待が大きいのか?」を考え …

自分を生きる

子どものころから、びっくりするほどの人見知りで、引っ込み思案な性格だった。小学生のとき、授業で先生の質問の答えがわかっても、手を挙げて自分の意見を言うことができないほどだった。自分の意見を言って、他者 …

風邪を知る

風邪をひくと、咽喉が痛い、鼻水がでる、身体がだるい、頭痛、発熱、咳などの症状が出てくる。そういった風邪の症状に気づいたら、うがいをしたり、身体を温めたり、風邪薬を飲んだり、早く寝ようとしたりして、少し …

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