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ながれるようにととのえる

身体の内なる声を味方につけて、生きる力をととのえる内科医、鍼灸をおこなう漢方医のお話

やくも診療所 院長・医師

石井恵美 (いしいえみ)

眼科医を経て内科医、鍼灸をおこなう漢方専門医。漢方や鍼灸、生活の工夫や養生で、生来持っている生きる力をととのえ、身体との内なる対話から心地よさを感じられる診療と診療所を都会のオアシスにすることを目指す。
やくも診療所/東京都港区南麻布4-13-7 4階

自分の快適さは、自分で探る

投稿日:

「しっかり考えて」「よく考えて」「もう一度考えて」。私たちはとかく思考するように教育されてきた。考えることは大切なことだが、一方で、考えないということも大切なのではないかと最近思うのだ。考えないでおくことを意識的にしようとすると、思考の嵐にあっという間に占領され、びっくりしてしまったことがある。よく考えたいことは徹底的に考え抜く。考えたくないことは考えない。それがやはり無理のない自然なことなのだと再認識している。

自分の快適さは、自分で探る。当たり前のはずのことが、案外忘れられてしまっているように感じる。昨今、これさえ食べたら良い、こうしたら良いという情報が溢れており簡単に入手できる。そして、情報の多さゆえに、頭で理解した気になってしまう。情報を参考に、実際にそれを体験してみて、自分の身体や心はどう感じるのか。そこがとても大切なのだが、重要視されにくいようだ。生物として生き抜くうえで、なくてはならないはずの「本能」のようなものが薄れ、それでも生きていける時代になっているのだろうか。

不調が長く続き慢性化すると、それが当たり前になってしまい、痛みやしんどさを感じにくくなってしまうものである。長く診ている患者さんが「慢性化して気づきにくかった不調に気づけるぐらい、身体の声を聞けるようになってきました」と言っていた。楽に感じる時間が増えてきているんだろうなと、それを聞いてとてもうれしかった。患者さんが自分自身の秘めた生きる力を発見していく姿に立ち会えるのは、なんとも言えぬしあわせだ。

自然から離れないように生きる

不自然な環境で不自然に生きているから、自然でいるには修行しなければならない。といった意味のことを、精神科医の神田橋條治先生が著書に書いておられる。また、哲学者の西田幾太郎は『自然に従うものは自ずから栄え、自然に背くものは自ずから滅ぶ』と言っている。自然の法則から逸脱した生活をしなければ、本来、人の身体はどんな状況であっても常に正しく働く。自然から離れない、外れない生活をすることは、あらゆる自分を構成している細胞がはたらきやすくなる。つまりは生命力の強さや減弱、消失は自分の選択次第で変えることは目指せるが、修行しているという気持ちもあると助けになりそうである。

わたしは常々、直感力を鍛えたいと思って生きている。目には見えないが感覚的に深いところで感じているような、爬虫類的な、動物的な、第六感的な、そういうフィルターやセンサーみたいなもの。それが、鈍らずにちゃんと働いてくれるとすごくうれしい。魂という言葉は医学において語り難いのだが、直感は魂の根っこに通じる野生的な感覚とでもいえると思うのだがどうだろうか。医療の分野では、そういうものは胡散臭いという範疇で片づけられてしまいがちな、日の目を見ることの少ない分野だが、私は子どものころからこのうえなく好きだ。筑波大学の故・村上和雄先生が時折仰っていた、ナイトサイエンス的なものとも共通している気がしている。

直感力を取り戻す作戦は、「ありがとう」「ごめんなさい」「許してください」「愛しています」という言葉を、自分にかけてあげてみることから始めたいと思っている。これは禅僧で坐禅断食指導者の野口法蔵さんが著書のなかで勧めておられた手法だが、私自身が感覚的に模索してきたものと近い感じがしてうれしい。

直感力とは、まっすぐに感じる力。その力を使って、より自然体で楽に生きられるようになることを目指していきたい。微生物や菌類、植物はもちろん、蚊や蟻などの昆虫も含めて。小さな生き物に感謝しながら、感覚を研ぎ澄まして、自分の内なる小さな心地よさを探って生きていたい。

- ながれるようにととのえる - 2022年9月号 vol.180

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