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GNHの国からブータン人にききました

国際事業部 ブータン駐在員

松尾 茜 (まつお あかね)

東京の大手旅行会社に5年間勤務した後、2012年よりブータン王国の首都ティンプー在住。ブータンの持続可能な観光開発事業に携わっている。地域固有の自然や文化、昔ながらの人々の生活を守りながら、ゆるやかに交流人口を増やし、地域経済を、訪れた人の心身を、着実に豊かにしていくような観光を、世界各地で促進していくことがライフワーク。

新年の抱負は何ですか?

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はじめまして

らくなちゅらる通信をお読みのみなさん、はじめまして。本号より、連載を担当させていただきます、松尾茜と申します。「ブータンに初めての『道の駅』をつくる!」という、プレマさんのあつい願いの実現に向けて、ブータン現地のNGO、王立自然保護協会(RSPN)の仲間たちと共に、日々奮闘しています。

連載のテーマ『ブータン人にききました』は、プレマのある方からのリクエストを受け、設定いたしました。「『幸せの国、ブータン』とよくいわれるけれど、実際のところ、ブータンの人たちって、日々どんなことを考え、行動して、生きているんだろう?」「わたしたちが日常生活を送るにあたってのヒントになるようなことって、あるのかな?」という、実は誰もが抱いている素朴な疑問解決をめざすべく、この連載をスタートすることにしたのです。

私は、ブータン在住歴5年弱。まだまだこの国、そして、人々を理解しきれていない部分も多くありますが、日々、なるべく現地の方々の立場に立って、彼らと同じ目線で、物事を考え、進めるようにしています。この連載では、そんな、ブータンの人たちの「ホンネ」をご紹介することで、みなさんの心がふっと軽くなるような、そんなエピソードを、「ブータンの人たちに、かんたんな質問に答えてもらう」という形で、ご紹介していきたいと思います。

新年の抱負

連載最初の質問は、ずばり「新年の抱負は何ですか?」。

実はこれ、私が質問するまでもなく、ブータンの同僚たちが、SNSのグループ・チャット上で、どんどん自然発生的に自分の抱負を発表していったものなんです。いわば、「新年の抱負リレー」。それではさっそく見ていきましょう。

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いかがでしたか? なんだか可愛らしくて、思わず笑みがこぼれてしまいますよね。そう、ブータンの人たちって、とっても素直で無邪気なんです。それでも、中には真面目な抱負もあったりして、「頑張れよ!」と、思わず肩をたたきたい気持ちになります。1年後、「抱負は叶えられた?」と聞いたら、「あれ、僕は、なんて言ったっけ?」なんて、とぼけた答えが返ってくるのも、容易に想像できるのですが……。

この抱負を見て、私がいちばん印象に残ったことは、すべてに共通して「何かを『得ること』に、まったく執着していない」ということです。日本人であれば、「○○を買うために頑張って働いて稼ぐ」「○○の技術を習得する」といった、貪欲な抱負が多いのではないでしょうか。一方、ブータンの人たちの抱負を見てみると、「余計なものを捨てて、シンプルに生きること」を人生の究極の目標にしているようにすら見えるのです。

『得ること』にとらわれないよう意識した「新年の抱負」。もう一度、考え直してみてはいかがでしょう? 何か、素敵な発見があるかもしれません。

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SNSで「新年の抱負リレー」を楽しんでいた、ブータン王立自然保護協会(RSPN)の仲間たち

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公益社団法人日本環境教育フォーラム
国際事業部 ブータン駐在員
松尾 茜(まつお あかね)

東京の大手旅行会社に5年間勤務した後、2012年よりブータン王国の首都ティンプー在住。ブータンの持続可能な観光開発事業に携わっている。地域固有の自然や文化、昔ながらの人々の生活を守りながら、ゆるやかに交流人口を増やし、地域経済を、訪れた人の心身を、着実に豊かにしていくような観光を、世界各地で促進していくことがライフワーク。
http://www.bhutan.jeef.or.jp/

- GNHの国からブータン人にききました - 2017年2月発刊 Vol.113

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