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くま先生のすこやか診察室

「子どもも親も、家族みんなの笑顔と幸せのために」総合医療くま先生からのメッセージ

統合医療やまのうち小児科・
内科医師

山内 昌樹 (やまのうち まさき)

小児科医として勤務していたが、西洋医学の素晴らしさを感じつつ心から望む医療と現実のギャップに悩み、軽度のパニック障害を経験。YHC矢山クリニックで小児科 を担当し、病気の真の原因を学ぶ。お母さんの自己肯定感を取り戻すことが家族みんなを笑顔にし世界を平和にすると確信している。
〒849-0915 佐賀県佐賀市兵庫北5丁目8-7-2
0952-33-8500
http://www.yamanouchishounika.jp/

お母さんが幸せになれば子どもの問題は消える

投稿日:

不登校(園)や登校(園)しぶりの相談の際に、最近お伝えしているのは、

①大好きを伝える

②幸せを共有する

③放牧の3つです。

大好きを伝える

一番の基本は、大好きを伝えることです。
「いい子でも悪い子でも大好きだよ」とハグをしながら言いましょう。
一日に最低1回、可能なら何度でもしてほしいと思います。

「いい子でも悪い子でも」というのは、「無条件に」という意味が伝わればOKです。
「学校に行っても行かなくても」「勉強をしてもしなくても」「悪さをしてもしなくても」などその状況に合わせて言い換えても大丈夫。
さらに付け加えると「(お母さんが)怒っても、大好きは変わらないよ」と怒った後にフォローしてあげましょう。
子どもは親に怒られると、自分は必要とされていないとか、自分には価値がないと感じてしまうことがあります。
お母さんの気持ちが落ち着いてからでいいので、「さっきは○○だったから、お母さん困って怒ってしまったけど、あなたを大好きなことは変わらないよ」と伝えてあげてください。

幸せを共有する

子どもはお母さんが幸せそうにしているかどうかを敏感に感じとっています。
お母さんの感情が不安定だと、子どもはそれが自分のせいではないかと感じてしまったり、自分に注意を集めるために悪さをしたりします。
お母さんの機嫌が悪いとき、それが自分のせいだと感じて、いい子になろうとがんばってしまいます。
お母さんの機嫌をとっていると、徐々にエネルギーが減って元気がなくなっていきます。
お母さんが幸せそうにしていると、子どもは「お母さんは大丈夫」と感じるので、自分がやりたいこと、興味のあることに意識が向かい、エネルギーが増えて元気いっぱいになります。

幸せなフリ、作り笑顔、カラ元気は子どもには通用しません。
心の底から幸せをいっぱい感じてほしいのです。

そんな気分になれないとき、やってほしいのが「幸せだなぁ」と言ってみるという方法です。
「幸せだなぁ。
そういえば……」の「……」に入る言葉を考えてみましょう。
「そういえば今日のご飯おいしかったなぁ」「天気がよくて気持ちいいなぁ」「お花がキレイに咲いているなぁ」など、どんな些細なことでも文脈に問題がなければOKです。

「住む場所がある」「着る服がある」「食べるものがある」など、衣食住は、もし災害などでなくしてしまったとき、本当に辛い思いをします。
それが今、当たり前のように自分の眼の前にあるというのは、とても幸せなことではないでしょうか?

最初はそんなに大きな幸せだとは感じられないかもしれませんが、この練習を繰り返していると「実は私って、すごく幸せかも?」と感じられるようになってきます。

この幸せ感を持ちながら、子どもに「今日のご飯おいしかったね」「お花がキレイだね」「○○して遊ぶと楽しいね」などと話しかけて、お母さんの幸せ感を子どもと共有してください。

放牧型育児

「放牧」という言葉だけを聞くと、多少違和感があるかもしれませんが、見守る子育てのことです。
放牧に必要なのは、愛情、ご飯、安全な環境だけ。
できるだけ干渉せず、コントロールしようとせず、自由にして、すべて子どもに任せましょう。
「上手にできたね」というような評価もなるべくしないでください。
これはかなり勇気が必要かもしれません。

放牧の根底にあるのは「ウチの子どもは大丈夫」「子どもは勝手に育つ」という自分の子どもと自分自身に対する信頼です。
信じて見守る。
最初はとても怖いかもしれませんが、ぜひ、チャレンジしてみましょう。
(続く)

- くま先生のすこやか診察室 - 2018年11月発刊 vol.134

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