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オルタナティブファーム宮古

自然の恵みいっぱいの宮古島から農業や商品開発するなかで感じたこと気づいたこと

オルタナティブ
ファーム宮古 代表

松本 克也 (まつもと かつや)

自動車メーカーなど14 年の研究職を離れ、2012 年5月に家族4人で宮古島に移住。
約1万平米の畑で主に有機サトウキビを栽培し、黒糖蜜やキビ砂糖などの加工品を製造。
畑で黒糖作りが体験できるプログラムも準備中。
その他、有機バナナの栽培、未完熟マンゴーの発酵飲料の製造に携わる。

サトウキビジュースの真空加熱

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昔ながらの平窯。大きい表面積で水分を蒸発させます

今月は、砂糖の歴史を簡単にご紹介します。黒糖作りの工程はシンプルで、圧搾機で搾ったサトウキビのジュースを釜で焚き詰めて、型に流して冷やし固めたらできあがりです。工程がシンプルだからこそ、実はとっても繊細で、素材や工程のちょっとした変化で黒糖の品質(味・香り・口溶けなど)が大きく変わってしまうことは、これまでにも本紙でご紹介してきました。

今月は「工程はシンプルだけど作業は大変」という話題からスタートします。500gのサトウキビジュースを焚き詰めて、できる黒糖はわずか100g程度です。サトウキビジュースのブリックス(糖度)は約19で、黒糖では約95です。すなわち、ジュースに含まれる水分を蒸発させた結果「糖度が5倍に、重量は5分の1に濃縮される」ことになります。

重量5分の1になるまで水分を蒸発させる工程が手間を要します。通常の製糖工場では、プールのような長方形状の平窯で表面積を大きく稼いで、長時間かけて水分を蒸発させていきます。

大規模の製糖工場では、複数の加熱容器を連結した多重効用缶という設備で、効率よくサトウキビジュースを焚き詰めていきます。1番目の缶内のジュースを加熱・沸騰させて発生する高温蒸気を次の熱源として、2番目の缶内のジュースを加熱していきます。その際、高温蒸気は冷やされて再び水になりますが「一定容積のなかで気体を凝縮して、液体にすると内部の気圧が下がる」という物理法則に従って、2番目の缶内が減圧されます。これによって沸点は下がり、2番目の缶内のジュースはより低温で沸騰することになります。

加熱容器を連結してこのサイクルを繰返すことで、どんどん缶内が減圧されていき、最終的には、60℃程度の低温で熱効率よく沸騰・濃縮が進みます。ちなみに、サトウキビジュースの搾りかす(バガス)を燃やしてボイラーの熱源にしています。

こくとうみつと、9種類のナッツ&フルーツが出会いました。甘味付けにもこれだけでスイーツにも。

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サトウキビジュースの真空加熱

- オルタナティブファーム宮古 - 2020年11月発刊 vol.158

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