プライベートガイドでご案内する、三月菓子作り体験の様子を紹介します。
旧暦の3月3日は女の子の桃の節句ですが、沖縄では、この日は「浜に下りる」と書いて、浜下りの日として知られています。女性は仏壇・火の神にお供え物をして健康を祈願し、浜に下りて手足を海水に浸けて身を清めます。
中国から伝わったこの行事は、もとは農業に携わる前に心身を清める農耕儀礼だったようです。しかし実際には、日々の生活で仕事や家事、育児に追われる女性たちにとっては、自由な時間を過ごせる数少ない楽しみのひとつであり、ご馳走を持ち寄って、潮干狩りやおしゃべりを楽しむピクニックのようなイベントだったようです。
その際、女性たちは思いおもいのお重を持ち寄りました。一の重には、魚のてんぷらやかまぼこに、包丁細工を施した花いか、ごぼう巻きなど。二の重には、赤飯のおにぎり。そして三の重には、三月菓子、四の重には、よもぎ餅を詰めたそうです。
さて、では三月菓子とはどんなお菓子でしょう? 「その原料は、小麦粉・砂糖・卵・牛乳で、油で揚げて作るお菓子」と言うと、「サーターアンダギー?」と思われるかもしれません。それがなぜだか、まったく油っこくなく、上品な焼き菓子のようなお菓子に仕上がるから不思議なのです。どうやら、卵の撹拌から始まって、小麦粉や砂糖を混ぜて生地を作る ~ 成形・カットして揚げるまでの工程で、一貫して生地に空気を入れないことが要点のようです。
三月菓子作りを教える島ガール・桑原司真子さんは、島の食文化や伝統料理を守る取り組みをしています。ぜひ体験を通して、生活に潤いを与える存在だった、当時の『女子会』の様子を想像してみましょう。サービスの提供開始を楽しみにお待ちください(^^)
外見からは、沖縄版フィナンシェのようにも感じられる三月菓子